日商簿記3級を学習される方へおさらいができるように問題を一つずつ出題しています。これから学習する方は、簿記きほんのきからご覧ください!!
今回は、固定資産を期首に売却した時の仕訳です。
問題80
固定資産期首売却の仕訳
×3年11月1日に取得した備品(取得原価300,000円、残存価額ゼロ、耐用年数5年、減価償却の計算は定額法、間接法で記帳)を×6年4月1日に110,000円で売却し、現金で受け取った。減価償却費は月割り計算で行う。決算日は3月31日。
仕訳解答
仕訳の解答です。
解き方解説
今回の仕訳は、固定資産を期首に売却しています。期首に売却した場合は、当期の減価償却費は必要ありません。
でも、この固定資産は前期以前に期中に購入しているので、減価償却累計額の計算に注意しましょう。
まずは、タイムレコードを書いてこれまでの減価償却の処理を確認しましょう。
この備品は、購入した時から売却までこのように減価償却の処理が行われています。
売却した時に、この減価償却累計額も減少します。
今回の処理はこの内容ですね。
- 備品を減少する処理
- 減価償却累計額を減少する処理
- 現金を受け取った処理
- 売却益か売却損を計上する処理
仕訳をする過程で計算して判断します。
*なお、期首に売却しているので、当期の減価償却費の計上はありません。
【仕訳の考え方】
1、備品(資産)の減少
2、減価償却累計額
(資産のマイナス)の減少
3、現金(資産)の増加
4、固定資産売却損(費用)の増加
1、備品(資産)の減少
⇨資産(ー)なので貸方の右
/ 備品300,000
2、減価償却累計額(資産のマイナス)の減少
⇨資産マイナスを表す勘定のプラスは貸方
今回(ー)なので借方の左
減価償却累計額 145,000 / 備品 300,000
この期間の減価償却累計額を計算します。
①300,000÷5年×5ヵ月÷12ヶ月
=25,000円
②300,000÷5年×2年=120,000円
減価償却累計額は備品の価値の減少分を表します。
売却時の備品の価値は
300,000円ー145,000円=155,000円ということです。
3、現金(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
減価償却累計額 145,000 / 備品 300,000
現金 110,000/
155,000円の価値がある備品を110,000円で売却したということは、損をしたということですね。
4、固定資産売却損(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
減価償却累計額 145,000 / 備品 300,000
現金 110,000/
固定資産売却損 45,000/
イラストにもありますが、貸借差額で借方に記入するということは、費用の発生と考え、固定資産売却損と判断してもOKです!
これで取引の仕訳が完了です。
固定資産の売却は78話でも解説しています。
減価償却の問題は、その他のパターンも複数出題しています。
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次回は、問題編81「売上取引(手形と掛け)」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。