問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、数年使用した備品を期首に備品を売却した時の仕訳です。
問題18
固定資産の売却(期首)
不要になった備品(取得原価600,000円、減価償却累計額540,000円、間接法で記帳)を期首に20,000円で売却し、代金は月末に受け取ることとした。
解き方解説
備品を売却した仕訳です。
数年間使用しているため、売却する備品の減価償却累計額が計上されています。
減価償却累計額は、毎年決算時に備品の価値が減少した分を計上しています。
備品は購入時に600,000円で、この備品の価値の減少分が540,000円なので備品の価値は60,000円です。
【仕訳の考え方】
売却にともない、備品と備品の減価償却累計額を減少する仕訳を行います。
また、売却代金の処理を行い差額を固定資産売却損で計上します。
備品の価値 60,000円>売却額 20,000円
備品の価値に比べ売却額が安いので損をしていますね。
1、備品(資産)の減少
2、減価償却累計額
(資産のマイナスを表す勘定)の減少
3、未収入金(資産)の増加
4、固定資産売却損(費用)の増加
1、備品(資産)の減少
⇨備品(ー)なので貸方の右
/備品 600,000
2、減価償却累計額
(資産のマイナスを表す勘定)の減少
⇨減価償却累計額(ー)なので借方の左
減価償却累計額 540,000 /備品 600,000
※勘定科目の指定により「備品減価償却累計額」となりますので問題の指示に従ってください。
減価償却累計額は資産のマイナスを表す勘定です。
資産のプラスは借方の左で、貸方の右がマイナスです。よって、資産のマイナスを表す減価償却累計額が増加したときは資産のマイナス側の貸方の右が増加した時のポジションです。
3、未収入金(資産)の増加
⇨未収入金(+)なので借方の左
減価償却累計額 540,000 /備品 600,000
未収入金 20,000 /
4、固定資産売却損(費用)の増加
⇨固定資産売却損(+)なので借方の左
減価償却累計額 540,000 /備品 600,000
未収入金 20,000 /
固定資産売却損 40,000/
仕訳は最終的に貸借の合計が一致します。
3の処理後に一致させるためには借方(左)に40,000円を書く必要がありますね。
左に記入するのは、費用である固定資産売却損です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 減価償却している固定資産を売却した時は、減価償却累計額も同時になくなる。
- 固定資産売却損(売却で損)は費用なので借方の左
- 固定資産売却益(売却で得)は収益なので貸方の右
最後に貸借差額で固定資産売却損か売却益 を記入して良いと思います。
残高を左に書く→固定資産売却損
残高を右に書く→固定資産売却益
固定資産の売却についてはブログの78話で紹介しています。
次回は、問題編19「買掛金の支払い」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。