問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、決算整理仕訳の減価償却の仕訳です。
問題45
減価償却の仕訳
決算(3月31日)につき建物と備品の減価償却費を定額法で行う。記帳方法は間接法。
①建物
取得原価1,500,000円、耐用年数30年、残存価額:取得の10%
②備品
取得原価480,000円、耐用年数12年、残存価額:取得のゼロ
③備品
取得原価200,000円、耐用年数10年、残存価額:取得のゼロ
なお、備品③は当期の7月1日に取得したものであり、月割計算をする。
解き方解説
3つの固定資産それぞれの減価償却費を計算し仕訳を行います。
減価償却費の計算方法のおさらいをしましょう。
[建物の減価償却費の計算例]
- 取得原価:60,000円
- 残存価額:ゼロ
- 耐用年数:10年
減価償却費=
(取得原価ー残存価額)÷耐用年数
この場合は、残存価額がゼロなので60,000÷10年=6,000円が減価償却費です。
問題の固定資産それぞれの減価償却費を計算しましょう。
③の備品は会計期間の途中で購入したものなので、使用した分だけ減価償却費を計上します。
減価償却費の計算
①の建物
取得原価1,500,000円、耐用年数30年、残存価額:取得の10%
(1,500,000-150,000)÷30年=45,000
残存価額は取得の10%なので90%(0.9)を減価償却すると考えて、次の計算式でもOKです。
1,500,000×0.9÷30年=45,000
②の備品
取得原価480,000円、耐用年数12年、残存価額:取得のゼロ
480,000÷12年=40,000
③の備品(月割り計算)
取得原価200,000円、耐用年数10年、残存価額:取得のゼロ
200,000÷10年×9ヶ月÷12ヶ月=15,000
減価償却費は①〜③の合計100,000円ですね。
では仕訳していきましょう。
【仕訳の考え方】
1、減価償却費(費用)の増加
2、建物減価償却累計額の計上
3、備品減価償却累計額の計上
1、減価償却費(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
減価償却費 100,000 /
※建物と備品の減価償却費の合計額を計上します。
2、建物減価償却累計額の計上
⇨資産のマイナスを表す勘定なので、貸方の右です。
減価償却費 100,000
/建物減価償却累計額45,000
3、備品減価償却累計額の計上
⇨資産のマイナスを表す勘定なので、貸方の右です。
減価償却費 100,000
/建物減価償却累計額45,000
/備品減価償却累計額55,000
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 減価償却費は使用した月数の分だけ計上する。
- 減価償却累計額は資産のマイナスを表す勘定なので、貸方に記入する。
減価償却費の計算についてはブログの75話で紹介しています。
減価償却の仕訳についてはブログの76話で紹介しています。
間接法です。(日商簿記の3級は間接法のみです)
次回は、問題編46「証ひょう」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。