問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、決算整理の仕訳で年払いした保険料の前払い分の処理を行います。
問題41
決算整理(費用の繰延べ)の仕訳
決算整理前の支払保険料46,560円は当期の9月1日に保険契約を結び、向こう1年分を支払ったものである。決算における仕訳を行いなさい。(決算日は3月31日)
解き方解説
問題文の情報を整理してみましょう。
- 保険は、9月1日に加入し、向こう1年分の46,560円を支払い
- 決算日は3月31日
決算時に行うこと
この仕訳の目的は「当期分だけの支払保険料にする」ことです。
現在の残高46,560円の残高には、年払いしているため、次期分の保険料が含まれます。
その次期分を当期分から除き、前払いとして処理します。
9月から向こう1年分(12ヶ月)が46,560円です。
当期分は、7ヶ月分なので、次期分の保険料が5ヶ月分含まれています。
12ヶ月分が計上されている保険料を当期分だけにするために、次期分の5ヶ月分を除く処理を行います。
支払保険料に含まれる次期分5ヶ月分の保険料を計算してみましょう!
計上されている12ヶ月分のうち、当期分は7ヶ月分です。
12ヶ月ー7ヶ月=5ヶ月分が次期分の支払保険料です。
46,560×5ヶ月÷12ヶ月=19,400円
この時期分の保険料をマイナスします。
また、相手勘定は次期分すでに支払っているので前払いの処理を行います。
【仕訳の考え方】
1、支払保険料(費用)を減少
2、前払保険料(資産)の増加
1、支払保険料(費用)を減少
⇨費用(ー)なので貸方の右
/ 支払保険料 19,400
※次期分の支払保険料をマイナスします。
2、前払保険料(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
前払保険料 19,400/支払保険料 19,400
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 計上した費用に次期分が含まれる場合はマイナスする。
(当期の正しい利益計算をするためです。) - すでに払っている次期分の費用は前払として計上する。
- タイムレコードを書いて情報を整理しましょう。
費用の繰延べしとは、すでに計上された費用のうち次期分を、時期に持っていくようなイメージですね。
今は、繰延べという言い方をせず「前払分を計上する」など書かれていることも多いです。
決算時の費用の繰延べについてはブログの83話で紹介しています。
次回は、問題編42「決算整理(現金過不足)」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。