問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、所有する建物の修理と、改築を行った場合の仕訳です。
問題40
固定資産の修繕と改良の仕訳
会社建物の破損した部分の修理費用68,000円と改築のための支出120,000円を小切手を振り出して支払った。
なお、この改築の支出は資産価値の増加(資本的支出)と認められた。
解き方解説
建物を使用する上で、必要な支出の処理です。
この支出の内容によって処理する勘定科目が異なります。この問題では以下の内容の支出があります。
- 破損部分の修理費用 68,000円
- 資産価値を増加させる改築 120,000円
(資本的支出)
資本的支出って??となった方もいらっしゃるかもしれませんね。
修繕と改良の違いをおさらいしてみましょう。
修繕(収益的支出)
固定資産の現状回復(維持)をすることです。この支出額は、修繕費(費用)として処理します。
改良(資本的支出)
固定資産の価値の増加や、使用年数が延長するような増築や改築などのことです。この支出額は固定資産の増加として処理します。
ということは、この問題の処理はこのように処理します。
- 破損部分の修理費用
⇨修繕費(費用)の増加 - 資産価値を増加させる改築
⇨建物(資産)の増加
【仕訳の考え方】
1、修繕費(費用)の増加
2、建物(資産)の増加
3、当座預金(資産)の減少
1、修繕費(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
修繕費 68,000/
2、建物(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
修繕費 68,000/
建物 120,000/
3、当座預金(資産)の減少
⇨資産(ー)なので貸方の右
修繕費 68,000/ 当座預金 188,000
建物 120,000/
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 固定資産の価値を上げる改良や改修は、固定資産の価格を加算する。
- 現状維持や元の状態に戻すための支出は、修繕費で計上する。
修繕と改良の処理については、ブログの51話の固定資産の購入の中に書いていますのでぜひ確認してください。
次回は、問題編41「決算整理(費用の繰延べ)」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。