問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、決算整理の仕訳で現金過不足の処理を行います。
問題42
決算整理(現金過不足)の仕訳
現金の実際有高が5,000円不足していたため、現金過不足勘定で処理していたが、決算において調査したところ、通信費の支払額5,500円の記帳漏れがあった。なお、残額については原因不明のため、雑損または雑益として処理する。
解き方解説
決算時に、現金過不足の残高がある場合、改めて原因を調査し、判明すればその処理を行います。
また、原因不明の分は雑損か雑益で処理し、最終的には現金過不足の残高はゼロにします。
今回の問題を解く前に
まずは、現金過不足勘定が発生した時に計上されていたのか見てみましょう。
現金過不足発見時
問題には「実際の現金が5,000円不足していた」と書かれてありますね。
わかりにくい場合は、上のイラストのように帳簿(Tフォーム)と金庫の金額を仮に入れてみて考えましょう。
実際の現金が5,000円不足していたのを、帳簿の現金残高が100,000円だった場合とした例で考えてみます。
- 帳簿の現金が100,000円
- 帳簿より実際が5,000円少ない
→実際は95,000円
現金過不足を発見した時は、帳簿を実際の金額に合わせます。
帳簿の現金を5,000円マイナスする必要があります。
現金(-)は貸方の右
なので
借方は現金過不足
↓
現金過不足 5,000/現金 5,000
このような仕訳が行われており、発見時には現金過不足は借方に5,000円が計上されていました。
今回の仕訳は
- 決算時には、現金過不足勘定の残高はゼロにする。
- 通信費の記帳漏れを計上する。
- 貸借差額は、雑損または雑益に計上する。
【仕訳の考え方】
1、現金過不足をゼロにする
2、通信費(費用)の増加
3、残額の処理
1、現金過不足をゼロにする
現金過不足の残高が借方に5,000円あるので、ゼロにするために、貸方に5,000円を記入する。
/ 現金過不足 5,000
これで、現金過不足の残高はゼロになりました。
2、通信費(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
通信費 5,500/現金過不足 5,000
計上していなかった通信費を計上します。
貸借の差を見ると、貸方に500円必要です。
この分は、不明の分として、雑損か雑益で計上します。
3、残額の処理
現金過不足の処理後の貸借の差額が貸方にあります。
通信費 5,500/現金過不足 5,000
/雑 益 500
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 「現金過不足」の残高は決算時はゼロにする。
- ゼロにしたときの相手勘定は
借方→雑損(費用)
貸方→雑益(収益)
決算時の現金過不足の処理についてはブログの66話で紹介しています。
次回は、問題編43「固定資産の購入」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。