問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、支払った保険料に次期分が含まれている場合の決算整理仕訳です。
問題63
決算(費用の前払い)仕訳
保険料は建物の火災保険料で、毎年同額を9月1日に向こう1年分を支払っている。支払保険料の決算整理前残高は20,400円である。
本日決算日(3月31日)につき決算整理仕訳を行いなさい。
仕訳解答
解き方解説
支払保険料(費用)は、毎年9月に向こう1年分を支払っています。
支払保険料の残高は20,400円があり、その中に次期分まで含まれています。
ここで、次期分をマイナスする処理をするのですが、「毎年同額を支払っている」とあるので、前期末に決算整理仕訳がされ、期首に再振替仕訳がされています。
支払保険料の残高は何ヶ月分なのかを考え、計算する必要があります。
毎年支払っている場合
- 毎年支払っている場合
- 前期より支払っている場合
期首に再振替仕訳がされていることに注意する必要があります。
再振替仕訳がされているので、支払家賃20,400円の残高は12ヶ月分ではありません。
支払保険料の20,400円が、何ヶ月分なのかを考えてみましょう。
①4月1日 再振替仕訳(前期末の逆仕訳)
②9月1日 保険料の12ヶ月支払
この処理が行われ、支払保険料の残高は、17ヶ月分であることがわかりました。
次期分の支払保険料の計算
支払保険料の残高20,400円が17ヶ月分とわかりました。
この中に含まれる次期分は5ヶ月分なので、次期分の保険料を計算しましょう。
20,400円×5ヶ月÷17ヶ月=6,000円
17ヶ月分のうちの5ヶ月分を計算しますよ!
今回の決算時の仕訳は
- 支払保険料から次期分を減らす処理
(今年の保険料ではないのでマイナス) - 次期分を前払保険料として計上する処理
(次期分を前もって払っているので前払)
【仕訳の考え方】
1、支払保険料(費用)の減少
2、前払保険料(資産)の増加
1、支払保険料(費用)の減少
⇨費用(ー)なので貸方の右
/ 支払保険料 6,000
2、前払保険料(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
前払保険料6,000 /支払保険料 6,000
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳のポイント
- 「毎年または前期より受け取っている」場合は再振替仕訳がされている。
- 再振替仕訳を考慮して、残高が何ヶ月分なのかを確認して計算する。
決算時の費用の前払いについての解説ブログは109話でおさらいできます。
次回は、問題編64「ICカードの使用」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。