問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、前期に貸倒れの処理が済んでいた売掛金の一部が回収された時の仕訳です。
問題16 貸倒処理済みの回収
前期に貸し倒れ処理していた売掛金100,000円のうち、60,000円が回収され、当座預金に振り込まれた。なお貸倒引当金の残高は70,000円ある。
解き方解説
「前期に貸し倒れ処理していた。」とありますので、この売掛金はすでにマイナスする処理が済んでいます。
このような仕訳を間違えてしないように気をつけましょう。
償却債権取立益
前期以前に貸倒れの処理が済んでいる分は、決算も終わっており、貸倒れの処理の取り消しや修正ができません。よって、回収できた場合は「償却債権取立益」で処理します。
取れないと思ってた分が回収できた!という感じですね。
【仕訳の考え方】
回収できた分を償却債権取立益で全額計上します。
問題文に貸倒引当金の残高が書いてありますが、すでに貸倒れの処理が済んでいるので使用しません。
1、当座預金(資産)の増加
2、償却債権取立益(収益)の増加
1、当座預金(資産)の増加
⇨当座預金(+)なので借方の左
当座預金 60,000 /
2、償却債権取立益(収益)の増加
⇨償却債権取立益(+)なので貸方の右
当座預金 60,000 /償却債権取立益 60,000
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 前期以前に貸倒れ処理が済んでいる分の回収は「償却債権取立益」で処理
貸倒れについては、売上債権の発生のタイミングで処理も異なります。
大事な論点なので、ブログも複数回に分けて貸倒れの処理を解説していますので、ぜひ考え方を解説のブログで確認してください。
貸倒れのカテゴリーで全体を確認できると思います。
償却債権取立益についてはブログの73話で紹介しています。
貸倒れについて全体をおさらいしたい方は69話からおさらいしましょう。
次回は、問題編17「訂正仕訳」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。