問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、売掛金が回収不能になった時の仕訳です。
問題8 貸倒れの仕訳
売掛金70,000円(前期売上分)が回収不能になったため、貸倒れとして処理した。
なお、貸倒引当金の残高は65,000円ある。
解き方解説
売掛金が回収不能(貸倒れ)した時は、その売掛金がいつ発生したのかがポイントになります。
貸倒れに備えて計上した貸倒引当金を使うかどうか、以下の条件で決まります。
- 当期売り上げ、当期に売掛金が発生
貸倒引当金は使わず、全額「貸倒損失」を計上する。 - 前期売り上げ、前期に売掛金が発生
「貸倒引当金」を使い、不足の分は「貸倒損失」を計上する。
今回の問題は、前期に売り上げ、前期に売掛金が発生した分の貸倒れです。
貸倒引当金の残高が65,000円あるので使用し、不足する5,000円は貸倒損失を計上する仕訳を行います。
【仕訳の考え方】
1、売掛金(資産)の減少
2、貸倒引当金(資産のマイナス)の減少
3、貸倒損失(費用)の増加
1、売掛金(資産)の減少
⇨売掛金(ー)なので貸方の右
/売掛金 70,000
2、貸倒引当金(資産のマイナス)の減少
⇨貸倒引当金(ー)なので借方の左
貸倒引当金 65,000 /売掛金70,000
貸倒引当金は資産のマイナスと書きましたが、資産の評価勘定であり、貸借対照表では資産から控除する形で表示されます。資産を控除する=資産のマイナスを意味します。
3、貸倒損失(費用)の増加
⇨貸倒損失(+)なので借方の左
貸倒引当金 65,000 /売掛金70,000
貸倒損失 5,000
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 貸倒れした売掛金などの債権がいつ発生したのかを確認する。
当期発生→貸倒引当金を使う
(貸倒引当金の残高がない場合は貸倒損失) - 貸倒引当金の残高が不足する金額は貸倒損失で処理する。
貸倒引当金についてはブログの69〜72話で学習しています。
69話は決算時の貸倒引当金設定の学習です。
苦手な方は、72話までおさらいしましょう!!
次回は、問題編9「現金過不足の仕訳」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。
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