かんたん!イラストで分かる簿記

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簿記きほんのき69【決算】決算整理(貸倒引当金の設定1)

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簿記きほんのき69

今日の学習内容

今日から山田くんは「貸倒れ」について勉強していきます。

聞き慣れない言葉に戸惑いますが・・。得意先に対する売掛金などがもらえなくなる場合などに関連する処理です。

今日は、決算整理「貸倒引当金」の処理について学習しましょう!

 

 

 

 

貸倒れとは

得意先に対するもらえる権利(債権)が、倒産などによって回収できなくなることです。

 

決算時に行う貸倒れの処理

売掛金や受取手形などは、「もしかしたらもらえないかも」という可能性があります。

そこで、翌期以降に貸倒れることが予測できる場合にはどのくらいあるかを見積もって、その金額を当期の費用として計上することができます。

会社は決算時に貸倒れに備えて仕訳を行い、貸倒れによる損失を

「貸倒引当金繰入」という費用の勘定科目で計上します

また、相手勘定は、「貸倒引当金」という資産のマイナスを表す勘定科目を使います。

売掛金などをもらえないかもしれない分をマイナスすることはしません。

それは、あくまでも「もらえなくなるかも」であって、もらえる可能性もあります。

なくなってもいないもらえる権利の売掛金を減少させる処理はしません。

 

本日新しく登場する勘定科目

 

「貸倒引当金繰入」勘定

貸倒れに備えて、決算において次期以降における回収不能の見込み額を費用計上する時に使用する勘定科目。

 

  • 「貸倒引当金繰入」は費用のグループ
  • 費用グループなので、損益計算書の左側に記載されます。
  • 費用は損益計算書の左に書かれているので

   貸倒引当金繰入(+)→ 左

   貸倒引当金繰入(ー)→ 右

 

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「貸倒引当金」勘定

貸倒れに備えて、決算において次期以降における回収不能の見込み額を準備しておく時に使う勘定科目。

設定した売掛金や受取手形の資産勘定のマイナスを表します。

 

  • 「貸倒引当金」は資産のマイナスの勘定
  • 資産のマイナスなので、プラスマイナスは資産の逆です。

   貸倒引当金(+)→ 右

   貸倒引当金(ー)→ 左

 

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貸倒れの決算時処理

貸倒れの見積もりは、受取手形と売掛金について決算時にある残高を見て、そのうち貸倒れする可能性があるものを計算し、仕訳を行います。

 

  1. 決算時の残高を確認
  2. 貸倒れ見積額の計算
  3. 貸倒れの仕訳

 

1.決算時の残高を確認

売掛金と受取手形の決算整理前残高を確認します。
(イラストは売掛金しか残高がないという設定で書いてあります。)

 

2.貸倒れ見積額の計算

1の残高に過去の貸倒れの実績率で設定率を決め、設定率を乗じて見積もり額を計算します。
設定率は、問題文に○%と書かれているのでそれを計算に使います。

 

貸倒れの見積額

売掛金・受取手形の期末残高×貸倒設定率

 

 

3.貸倒れの仕訳

 実際に仕訳をしてみましょう!

 

貸倒引当金の仕訳

決算において、売掛金の期末残高30,000円に対し、3%の貸倒引当金を設定する。

 

 貸倒れの見積額の計算をします。

残高×設定率なので

 30,000円×3%=900円

900円を貸倒れるかもしれない金額として、貸倒引当金の設定を仕訳で行います。

  

【仕訳の考え方】

 見積額の金額を仕訳に使用します。

 1、貸倒引当金繰入(費用)に計上。

 2、貸倒引当金(資産のマイナス)計上。

 

 

1、貸倒引当金繰入(費用)に計上。
  費用のプラスなので

  ⇨貸倒引当金繰入(+)借方の左。

 

(借)貸倒引当金繰入900

 

 

2、貸倒引当金(資産のマイナス)を計上。
  資産のマイナスをなので

  ⇨貸倒引当金(+)貸方の右

 

(借) 貸倒引当金繰入900 /貸倒引当金900

 

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明日も貸倒れの決算整理を学習します。
「貸倒引当金の設定2」 差額補充法です。

今日も最後まで見てくださりありがとうございました!

 

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