今日の学習内容
今日は、売上原価の算定を「仕入」で行う決算整理を精算表の書き方と一緒に学習しましょう。
売上原価(おさらい)
売上原価とは「売れた商品の原価」のことです。
例えば
- タンスを5,000円で仕入れた
- 5,000円で仕入れたタンスを120,000円で売った
この場合の売上原価は5,000円ということになります。
商品売買をする会社であれば、売るためにかかったタンスを買う費用が、売上原価ですね。
決算時には、1年間に売れた金額とその売れた商品の原価である売上原価を計算して、会社の正しい利益を計算します。
売上原価ってなに?からおさらいしたい方は87話から90話までおさらいしましょう!
今日の仕訳の部分だけおさらいしたい方は90話だけおさらいしましょう!
売上原価の計算式(おさらい)
※90話のイラストです。
売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高ー期末商品棚卸高
これを仕入勘定でプラスマイナスして売上原価の算定を行います。
- 期首商品棚卸高 期首にある在庫商品の原価(前期末の売れ残り)
- 期末商品棚卸高 当期末の未販売の商品原価(当期の売れ残り)
それではここから今日の精算表の学習です。
売上原価の算定精算表記入
今日の例題
「期末商品棚卸高は300円であった。(当期の商品仕入高は5,000円、期首商品棚卸高は1,000円)。売上原価は仕入の行で計算すること。」
期首の在庫は1,000円、期末の売れ残りは300円です。
Step1.仕訳をする
1.期首の商品1,000円を繰越商品(資産)から減らす
/ 繰越商品 1,000
2.繰越商品で減らした1,000円を仕入(費用)にプラスする。
仕入 1,000 / 繰越商品 1,000
※1と2の仕訳は、期首の商品を繰越商品から仕入れへ移動する仕訳です。
3.売残り分の原価300円を仕入(費用)から減らす
仕入 1,000 / 繰越商品 1,000
/仕入 300
4.売残り分の原価300円を繰越商品(資産)に計上
仕入 1,000 / 繰越商品 1,000
繰越商品 300 /仕入 300
※3と4の仕訳は、売れていない期末の商品を仕入から減らして、繰越商品へ移動する仕訳です。
Step2.修正記入に仕訳を書く
「Step1」の仕訳を修正記入に書きます。
仕訳と同じ勘定科目に、同じ方向にそのまま書いてください。
Step3.それぞれの勘定科目の残高を記入
これから、精算表にある各勘定科目の残高を、属するグループのところに記入していきます。
【繰越商品】
- 修正記入あり→試算表左に1,000円の残高
修正左に300円、右に1,000円で、残高左に300円 - 繰越商品は資産なので、貸借対照表の借方に記入
【売上】
- 修正記入なし→試算表の右80,000円で残高そのまま。
- 売上は、収益の勘定科目なので
損益計算書の貸方に記入。
【仕入】
- 修正記入あり→試算表左に5,000円の残高
修正左に1,000円、右に300円で、残高左に5,700円 - 仕入は費用なので、損益計算書の借方に記入
これで、仕入れの行で行う売上原価を算定する精算表の記入は完了です。
練習問題
「期末商品棚卸高は700円であった。(当期の商品仕入高は5,000円、期首商品棚卸高は1,200円)。売上原価は仕入の行で計算すること。」
練習問題解答
今日も最後までありがとうございました。
次回の113話は、精算表「売上原価(売上原価の行で計算)」です。
Twitterは イラスト簿記問題問題編 第18問「固定資産の売却」まで公開しています。
⭐️イラスト簿記問題編⭐️
— アヤコ@かんたん!イラストでわかる簿記 (@easy_boki) 2020年5月15日
第18問目「固定資産の売却」
今日の問題は固定資産を
売った時の仕訳です😊
おさらいは、78話のブログをチェック✨#日商簿記#イラスト簿記問題編#簿記3級 pic.twitter.com/gDq7sAyqiY