今日の学習内容
今日は、売上原価を「売上原価」勘定で算定(計算)する場合の仕訳を行います。
期首に在庫がある場合で仕訳を行ってみましょう。
前回のおさらい
前回は、期首に在庫(期首商品棚卸高)があり、「仕入」勘定で売上原価を算定する仕訳を行いました。
仕入に前からの売れ残り(期首商品棚卸高)をプラスして
今年の売れ残り(期末商品棚卸高)をマイナスする処理ですね。
しっかり考え方をおさらいしたい方は、90話をもう一度確認しましょう!
「売上原価」勘定で計算する
これまで、「仕入」勘定を使って、売上原価を算定してきましたが、「売上原価」勘定を使う方法もあります。
新たに、「売上原価」という費用の勘定科目を作って、その場所で算定します。
今まで仕入勘定で行っていたものを「売上原価」の勘定で行うだけなんです。
「売上原価」勘定で算定する処理の流れ
- 期首の繰越商品をマイナスして、売上原価にプラス
- 仕入の金額をマイナスして、売上原価にプラス
- 売れ残りを売上原価からマイナスして繰越商品にプラス
この流れで、仕訳の解き方をみていきましよう。
「売上原価」勘定で算定する仕訳
1.期首の繰越商品をマイナスして、売上原価にプラス
売上原価を計算する要素を移動します。
2.仕入の金額をマイナスして、売上原価にプラス
- 仕入勘定の残高も、売上原価に移動します。
- 移動してしまうので、仕入の残高は0円です。
3.売れ残りを売上原価からマイナスして繰越商品にプラス
- 売れ残りは、期末商品棚卸高です。
- 売上原価は、売れた分の原価なので、期末商品分をマイナスします。
- 売れ残りは、次期に販売する商品なので繰越商品にプラスします。
これで売上原価勘定で売上原価を算定するStep1〜3の処理が終わりました。
- 繰越商品は、期末の在庫700円が計上
- 売上原価は、残高が500円となり、今年の売上原価の金額になっています。
Step1〜3の仕訳をまとめてみました。
仕入勘定で売上原価を算定する場合は、仕入の金額を移動する必要がないので仕訳は少なくなりますよね。
仕入勘定で売上原価を算定した場合
(借)仕入 900 / 繰越商品 900
(借)繰越商品700 /仕入 700
では、売上原価勘定で算定する仕訳を練習問題で確認しましょう!
練習問題
練習問題の解答
最後に
試験では、「売上原価は仕入勘定で算定する」というケースが多く出題されていますが、まれに「売上原価は売上原価勘定で算定する」と出題されるとパニックになってしまうという受講生の声もよく聞きます。
売上原価の計算とはどのようなものかを理解していると、この処理も暗記でなく解答にたどり着くことができると思います。
売れた分の原価が売上原価であり、それはどうやって計算するのかしっかり確認してください。
次回から消費税に入ります!
今日も最後までありがとうございました。
Twitterは 155話「証ひょうからの仕訳」まで公開しています!
簿記きほんのき155
— アヤコ@かんたん!イラストでわかる簿記 (@easy_boki) 2020年4月24日
「証ひょうからの仕訳」
証憑(証ひょう)から仕訳を考えてみます!
今日で3級範囲は全て完了!
明日は最後のまとめです😊#イラスト簿記#勉強垢 #簿記 #簿記2級#簿記3級 #経理#長崎 #日商簿記 pic.twitter.com/CYLQ36U94L