日商簿記3級を学習される方へおさらいができるように問題を一つずつ出題しています。これから学習する方は、簿記きほんのきからご覧ください!!
今回は、売上原価を売上原価勘定で算定する決算時の仕訳です。
問題61
売上原価算定の仕訳
決算において、売上原価勘定で売上原価を算定するための仕訳を行いなさい。
期首商品棚卸高は20,000円、当期仕入高は220,000円、期末商品棚卸高は30,000円である。
仕訳解答
仕訳の解答です。
解き方解説
問題文から、各勘定の残高はこのようになっています。
今回は、売上原価の算定を「売上原価」勘定を新たに設けて行います。
「売上原価」勘定で売上原価を算定する
売上原価とは、今年売れた分の原価でしたね。
前回は、「仕入」勘定で売上原価を算定する仕訳を行いましたが、今回は「売上原価」勘定に算定するための数字を振り替え(移動)していきます。
前回の問題でも学習したように、売上原価の計算はこのように行います。
売上原価=期首在庫+仕入+ー期末在庫
売上原価の勘定に計算式のように数字を入れていきます。
- 当期仕入れした金額をプラス
- 期首の商品をプラス
- 期末の売れ残りをマイナス
今回の仕訳で行うこと
売上原価勘定に数字を振り替え(移動)して売上原価の金額にします。
- 「仕入」残高をマイナスし「売上原価」にプラスする。
- 「繰越商品」の残高をマイナスし「売上原価」にプラスする。
- 期末商品の金額を「売上原価」からマイナスする。
売上原価の計算に必要な数字をどんどん「売上原価」勘定に移動していくイメージです!!
【仕訳の考え方】
1、仕入(費用)の減少
2、売上原価(費用)の増加
3、繰越商品(資産)の減少
4、売上原価(費用)の増加
5、売上原価(費用)の減少
6、繰越商品(資産)の増加
1、仕入(費用)の減少
⇨費用(ー)なので貸方の右
/仕入220,000
2、売上原価(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
売上原価 220,000 / 仕入 220,000
仕入の金額マイナスしてゼロにして売上原価に移動することができました。
売上原価に仕入れの金額移動完了!
3、繰越商品(資産)の減少
⇨資産(ー)なので貸方の右
売上原価 220,000 / 仕入 220,000
/繰越商品20,000
4、売上原価(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
売上原価 220,000 / 仕入 220,000
売上原価 20,000/繰越商品20,000
繰越商品の残高は前期からの売れ残り20,000円をゼロにして、売上原価に移動することができました。
売上原価に期首の商品を移動完了!
5、売上原価(費用)の減少
⇨費用(ー)なので貸方の右
売上原価 220,000 / 仕入 220,000
売上原価 20,000/繰越商品20,000
/売上原価30,000
6、繰越商品(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
売上原価 220,000 / 仕入 220,000
売上原価 20,000/繰越商品20,000
繰越商品 30,000/売上原価30,000
売上原価から、期末の売れ残りをマイナスして売上原価の金額になりました。
期末商品を売上原価からマイナスしました!
売れていない分は、売上原価には入れないのでマイナスします。
これで、売上原価勘定の残高は売上原価の210,000円となり、
繰越商品には、期末商品の金額30,000円になりました。
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳のポイント
- 売上原価の計算をTフォームで行うように加減していきましょう。
- 売上原価の計算に必要な数字を集めるので、売上原価の計算式を覚えておきましょう。
売上原価の算定については、ぜひ91話でおさらいしてください。
次回は、問題編62「再振替仕訳」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。