今日の学習内容
今日は、売上原価を「仕入」勘定で算定（計算）する処理のうち、期首に在庫がある場合の仕訳を行います。
前回のおさらい
前回は、期首の商品在庫がない場合の売上原価を算定する仕訳を行いました。
売上原価算定の仕訳
「当期の商品仕入高は1,000円であるが、決算日において未販売の商品が900円ある。」
期末に残っている商品は、次期に販売する商品（資産）です。
決算において、未販売の商品原価を仕入れからマイナスして、繰越商品に振り替えます。
当期末の未販売の商品原価（売れ残り）を期末商品棚卸高といいます。
イラストの例について
期中の仕訳により決算整理前の残高はこのようになりました。
売上高はそのままですから、仕入を売上原価にして、繰越商品を今年の売れ残り分の原価になるように仕訳を行います。
期首にある在庫商品を期首商品棚卸高といいます。
実際の問題は、売れた個数が表示されておらず、次の仕訳問題のように書かれています。
売上原価算定の考え方
イラストの例を試験で出題されているような形式で記入してみました。
（精算表や決算書の問題で出題される場合は、期首商品と期末商品の情報だけが問題文に書かれています。）
「期末商品棚卸高は700円であった。（当期の商品仕入高は300円、期首の在庫は900円）決算日において仕入勘定で売上原価の算定をする仕訳を行う。」
何個分売れて・・という情報はなく、この問題は在庫の状況と仕入れについての数字のみが書かれていると思います。
この情報で、売上原価を計算しましょう！ということですね。
どう計算するの？のイメージを書いてみました。
売上原価の計算のイメージ少しわかりましたか？
テキストで見たことがあると思いますが、これが売上原価の計算式です。
売上原価＝期首商品棚卸高＋当期商品仕入高ー期末商品棚卸高
これを仕入勘定でプラスマイナスして売上原価の算定を行います。
売上原価算定の仕訳
では、問題文を改めて
「期末商品棚卸高は700円であった。（当期の商品仕入高は300円、期首の在庫は900円）決算日において仕入勘定で売上原価の算定をする仕訳を行う。」
期首の在庫は900円、期末の売れ残りは700円です。
- 期首の商品900円を
繰越商品(資産)から減らす - 繰越商品で減らした900円を
仕入(費用)にプラスする。 - 売残り分の原価700円を
仕入(費用)から減らす - 売残り分の原価700円を
繰越商品(資産)に計上
【仕訳の考え方】
1.期首の繰越商品 900円(資産)を減らす
資産のマイナスなので
⇨繰越商品（ー）貸方の右。
（借） ／ 繰越商品 900
2.繰越商品でマイナスした900円を
仕入にプラスする。
⇨仕入（＋）借方の左。
（借）仕入 900 ／ 繰越商品 900
3.売残り分の700円を仕入(費用)から減らす。
費用のマイナスなので
⇨仕入（ー）貸方の右。
（借）仕入 900 ／ 繰越商品 900
（借） ／仕入 700
4.売残り分の700円を繰越商品(資産)に計上
資産のプラスなので。
⇨繰越商品（＋）借方の左
（借）仕入 900 ／ 繰越商品 900
（借）繰越商品700 ／仕入 700
この仕訳はこのように行います。
- 期首にあった繰越商品をマイナスして仕入にプラスする。
- 仕入れから今年の売れ残りをマイナスして繰越商品にプラスする。
期首商品棚卸高（期首に在庫がある）がある場合は、売上原価を算定する仕訳はこのように行います。
練習問題
練習問題で確認してみましょう！
練習問題の解答
次回も、売上原価の算定ですが、仕入勘定で計算ではなく「売上原価」勘定を使って算定する方法です。
今日の、売上原価の計算方法が分かれば難しくないのですが・・計算の考え方を覚えておいてくださいね。
今日も最後までありがとうございました。
Twitterは １５４話「証憑の確認」まで公開しています！
簿記きほんのき154
— アヤコ@かんたん！イラストでわかる簿記 (@easy_boki) 2020年4月23日
「証憑の確認」
証憑（証ひょう）ってなに？
正しく確認して、仕訳をしましょう！
まもなく、3級の範囲も終了ですよ😊#イラスト簿記#勉強垢 #簿記 #簿記2級#簿記3級 #経理#長崎 #日商簿記 pic.twitter.com/rICBwq0HCr
