日商簿記3級を学習される方へおさらいができるように問題を一つずつ出題しています。これから学習する方は、簿記きほんのきからご覧ください!!
今回は、売上原価を仕入勘定で算定する決算時の仕訳です。
問題60
売上原価算定の仕訳
決算において、仕入勘定で売上原価を算定するための仕訳を行いなさい。
期首商品棚卸高は25,000円、当期仕入高は120,000円、期末商品棚卸高は19,000円である。
仕訳解答
仕訳の解答です。
解き方解説
問題文から、各勘定の残高はこのようになっています。
「仕入」勘定を売上原価にする
売上原価とは、今年売れた分の原価です。
「仕入」勘定には、今年仕入れをした全ての金額が計上されており、売れ残った分などの価格も入っています。
「今年売れた分の原価はいくらなのか?」は売れ残りをマイナスするだけでは
計算できません。期首にあった在庫も売ったはずです。
ということで・・
前からあった商品在庫(期首商品)に今年の仕入れをプラスし、
今年の売れ残り(期末商品)をマイナスする仕訳を行います。
以前のブログ(90話)で、イメージを書いていましたので紹介します。
るの?のイメージを書いてみました。
売上原価=期首在庫+仕入+ー期末在庫
このように、当期の仕入れを調整して、今年売れた分の売上原価を算定する仕訳を行います。
今回の仕訳で行うこと
仕入勘定を売上原価の金額にします。
(問題文に仕入勘定で売上原価を算定とありますので)
- 繰越商品に入っている期首商品を仕入にプラスする。
- 仕入に入っている、期末商品をマイナスする。
【仕訳の考え方】
1、繰越商品(資産)の減少
2、仕入(費用)の増加
3、仕入(費用)の減少
4、繰越商品(資産)の増加
1、繰越商品(資産)の減少
⇨資産(ー)なので貸方の右
/繰越商品25,000
2、仕入(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
仕入 25,000 / 繰越商品 25,000
繰越商品に書かれてある期首商品を仕入れに移動することができました。
3、仕入(費用)の減少
⇨費用(ー)なので貸方の右
仕入 25,000 / 繰越商品 25,000
/仕入 19,000
4、繰越商品(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
仕入 25,000 / 繰越商品 25,000
繰越商品19,000 /仕入 19,000
仕入れに含まれていた、期末商品をマイナスして、繰越商品に入れることができました。
これで、仕入勘定の残高は売上原価の126,000円となり、
繰越商品には、期末商品の金額19,000円になりました。
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳のポイント
- 売上原価の仕訳は丸暗記ではなく、計算の内容を理解しましょう。
売上原価の算定については、ぜひ90話でおさらいしてください。
次回は、問題編61「売上原価の算定」の問題にチャレンジしてみましょう。
61話は、売上原価を「売上原価」勘定で算定する問題です。
今日も最後までありがとうございました。