今日の学習内容
決算書は企業の1年間の営業成績や財政状態を表すためのもの。その決算書を作るための決算整理の1つ「売上原価」とはなに?という概要を学んでいきます。
売上原価とは
売上原価とは「売れた商品の原価」のことです。
イラストの例では
- タンスを5,000円で仕入れた
- 5,000円で仕入れたタンスを120,000円で売った
この場合の売上原価は5,000円ということになります。
商品売買をする会社であれば、売るためにかかったタンスを買う費用が、売上原価ですね。
決算時には、1年間に売れた金額とその売れた商品の原価である売上原価を計算して、会社の正しい利益を計算します。
日商簿記3級では商品売買をする会社を前提として説明を進めていきます。
売上総利益
売上総利益とは、会計期間における商品の売買益のことをいいます。
商品を売って儲けたざっくりした儲けのことです。
販売員への給料など様々な経費を引く前の、ざっくりした儲けで、粗利(あらり)と呼ばれることもあります。
マチ子さんの会社が1年で販売した商品がこのタンスだけだった場合の売上総利益の計算はこのようになります。
先ほどの
「決算時には、1年間に売れた金額とその売れた商品の原価である売上原価を計算して、会社の正しい利益を計算します。」という部分が売上総利益のことですね。
このタンスを購入した時の金額は、仕入勘定にあります。
ならば、このケースの売上原価は「仕入」勘定を見れば良いですね。
目的は、1年間に売れた分とその売れた分の原価を計算して正しい利益を出すことです。
ただし、「仕入」=「売上原価」ではないケースがあります。
次の2つのケースを見て確認しましょう。
仕入れた商品が全て販売されたケース
この場合は、10個売れているので、仕入にある原価は10個分です。
売れた分の原価は10個分の1,000円でOKですね。
仕入れた商品が売れ残っているケース
この場合は、1個しか売れていませんが、仕入には10個分の原価1,000円が書かれています。
今年の正しい売上総利益を計算するのならば、売れた1個に対する原価で計算しないといけません。
このケースでは、売れた商品は1個で、売上原価は1個分の100円が正しいということになります。
なので、売上原価が今年売れた分の原価になるように決算整理で仕訳を行います。
今日は具体的な仕訳は行いませんが、何をしているのか分からず暗記で覚えてしまう方も多い部分です。
なので、売上原価とはどういうものか?というお話から進めました。
今日のポイント
今日は、このポイントを覚えておきましょう。
- 売上原価は今年販売した分だけの原価のこと
- 売上総利益は、売れた分から売上原価を引いたもの
- 仕入勘定が売上原価になっていない場合は、決算整理で処理を行う。
明日は、もう少し具体的な売上原価の算定を行う三分法の処理を学習します。
今日も最後までみてくださりありがとうございました。
Twitterは 151話「伝票の転記」まで公開しています!
簿記きほんのき151
— アヤコ@かんたん!イラストでわかる簿記 (@easy_boki) 2020年4月20日
「伝票の転記」
仕訳帳の代わりに伝票を使ったら
その後はどういう処理するの?というお話しです😊#イラスト簿記#勉強垢 #簿記 #簿記2級#簿記3級 #経理#長崎 #日商簿記 pic.twitter.com/vxu1asS0Lq