今日の学習内容
前回は、「売上原価」の概要を学びました。
今日は、商品売買の記帳方法の種類と、売上原価を「仕入」勘定で算定(計算)する方法の概要を確認します。
前回のおさらい
売上原価とは何か?を昨日学習しました。売上原価をもう少しおさらいをしたい方は、ぜひ87話を見て売上原価の内容を確認してください。
昨日はこんな内容を学習しました。
- 売上原価は今年販売した分の原価のこと
- 売上総利益は、売れた分から売上原価を引いたもの
- 仕入勘定が売上原価になっていない場合は、決算整理で処理を行う
仕入勘定の金額を今年売れた分の原価(売上原価)になるように決算整理で仕訳を行います。
そして、今年の売上と売れた分の原価を使って、会社の1年間の正しい利益を計算します。
商品売買取引の記帳方法
これまで、お話ししていませんでしがた、実はこの商品売買取引の記帳方法は複数あります。
日商簿記3級の範囲では、商品売買取引(商品を仕入れたり、売り上げたりする取引)の記帳方法はこの2種類です。
- 三分法
「仕入・売上・繰越商品」の3つの勘定科目を使う - 分記法
「商品・商品売買益」の2つの勘定科目を使う
これまで商品売買の仕訳は三分法は学習してきましたので、売上原価の算定についてこのまま三分法で進めていきます。
(分記法は、後日学習します。)
三分法で使用する勘定科目
商品売買取引の記帳法として、試験でも三分法が多く出題されています。
これまでは、日常取引のみでしたので繰越商品は使う必要がありませんでした。
- 仕入
商品代金の原価を記録する勘定 - 売上
売れた商品の売価を記録する勘定 - 繰越商品
期首や期末にある商品の金額を記録する勘定
期中の仕訳では登場しません。
これから、決算整理において、売上原価を計算する際に売れ残りがあった場合。その売れ残りを書くのに必要になるのが、「繰越商品」という勘定科目です。
三分法の3つの勘定を簡単な例で見てみましょう。
【期中取引】
- 期首に在庫はなし
- 商品の仕入れ@100円×10コ=1,000円
- 商品の売り上げ@1,100円×1コ=1,100円
その結果
- 決算整理前の在庫は、@100円×9コ=900円
「仕入」と「売上」勘定は、その都度仕訳します。
このケースでは、繰越商品は決算時の売れ残りの金額を書く勘定科目なので、決算整理仕訳をするまでは残高はありません。
(前期の売れ残りが期首にあれば残高が書かれています。後日学習します。)
決算整理仕訳のイメージ
期中の処理をした3つの勘定の残高が、決算整理をした後どのような数字になるのかをイメージしましょう。
売上原価を仕入で算定するという問題文を見かけると思いますが、これは
「仕入勘定を売上原価の金額になるように処理する。」ということです。
決算整理をすることで目指すのはこのような状態です。
- 「仕入」勘定を今年売れた分だけの原価にする
- 「繰越商品」を売れ残った商品の原価にする
- 仕入で売上原価を算定する。
仕入ー期末の在庫=売上原価
1,000ー900=100円(売上原価)
仕入マイナス→貸方の右に900円
- 在庫900円を繰越商品という資産にする。
繰越商品プラス→借方の左に900円
このような処理を、仕訳を行います。
売上原価を「仕入」勘定で算定する場合
- 決算の時に、売上原価を計算するのに「仕入」勘定を使う。
- 仕入れを売上原価にするには売れ残りをマイナスする必要がある。
- 仕入れからマイナスした売れ残りは、次期の在庫だから繰越商品にプラスする。
最後に
イラストの最後に書いてある、「しーくりくりしー」という謎の呪文のような形で覚えている方も多いと思いますが、この仕訳で何をしているのか理解してもらいたいと思って、仕訳を学ぶ前に考え方を書きました。
明日こそ仕訳を学習しますので、今日のイメージを掴んでおいてくださいね。
今日も最後までありがとうございました。
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— アヤコ@かんたん!イラストでわかる簿記 (@easy_boki) 2020年4月21日
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