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簿記きほんのき89【決算】売上原価の算定(期首商品がない時)

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簿記きほんのき89

 

今日の学習内容

今日は、商品売買の記帳方法の種類と、売上原価を「仕入」勘定で算定(計算)する処理のうち、期首に在庫がない場合の仕訳を行います。

 

 

 

前回のおさらい

売上原価とは、売上に対する費用であり、売り上げた分の仕入れの原価のことをいいます。

このケースでいうと1つしか売れていませんので、売上原価は100円です。

しかし、三分法で処理している場合は、商品を仕入れた時に1,000円全額を仕入れで処理しており、仕入の金額は売上原価の100円になっていません。

 

そこで、決算で仕入れの金額1,000円を100円に修正する必要があります。

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 前回のブログでは、仕訳後のイメージまでみてきました。
今日は、実際に仕訳をしてみましょう。

 

売上原価算定の仕訳例1

上記の例を使って以下の条件の場合の仕訳を行います。

  • 商品売買は三分法で処理している
  • 売上原価は「仕入」勘定で算定
  • 期首の在庫はない

 

 実際に仕訳をしてみましょう!

 

売上原価算定の仕訳

当期の商品仕入高は1,000円であるが、決算日において未販売の商品が900円ある。

 

期末に残っている商品は、次期に販売する商品(資産)です。

決算において、未販売の商品原価を仕入れからマイナスして、繰越商品に振り替えます。

 

当期末の未販売の商品原価(売れ残り)を期末商品棚卸高といいます。

 

  

【仕訳の考え方】

  1. 売残り分の原価900円を
    仕入(費用)から減らす

  2. 売残り分の原価900円を
    繰越商品(資産)に計上

 

 

1.売残り分の原価を仕入(費用)から減らす。
  費用のマイナスなので

  ⇨仕入(ー)貸方の右。

 

(借)                      /仕入 900

 

 

2.売残り分の原価を繰越商品(資産)に計上
         資産のプラスなので。

  ⇨繰越商品(+)借方の左

 

(借)繰越商品   900/仕入 900
  

 

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売上原価算定の仕訳例2

ちょっと、問題文の言い方を変えてもう一つの問題例を考えてみましょう。

 

期末商品棚卸高は2,000円であった。(当期の商品仕入高は5,000円、期首の在庫は0円)決算日において仕入勘定で売上原価の算定をする仕訳を行う。

 

期首の在庫は0円、期末の売れ残りは2,000円です。

 

  1. 売残り分の原価2,000円を
    仕入(費用)から減らす

  2. 売残り分の原価2,000円を
    繰越商品(資産)に計上

 

【仕訳の考え方】

 

1.売残り分の原価を仕入(費用)から減らす。
  費用のマイナスなので

  ⇨仕入(ー)貸方の右。

 

(借)                      /仕入 2,000

 

 

2.売残り分の原価を繰越商品(資産)に計上
         資産のプラスなので。

  ⇨繰越商品(+)借方の左

 

(借)繰越商品   2,000/仕入 2,000

 

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練習問題

今日の、練習問題にチャレンジしてみましょう!

 

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練習問題解答

 

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後で学習する精算表などのためにも、Tフォームを書いて勘定の数字の動きを確認しましょう。

次回は、期首に在庫商品がある時の仕訳を学習します。

今日も最後までありがとうございました。

 

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