問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
簿記の学習後の確認に利用してくださいね。
今回は、決算時に当座預金の残高が貸方だった場合の仕訳です。
問題37
決算整理(当座借越)
決算にあたり、当座預金の貸方残高50,000円を当座借越勘定に振り替えた。当社は限度額500,000円の当座借越契約を結んでいる。
解き方解説
当座預金は、資産で口座に残高がある場合は、借方に残高がありますが、この問題は貸方に50,000円の残高があると書いています。
貸方に残高がある=口座の残高がマイナス ということです。
これができるのが、当座借越契約を結んでいる場合です。
※「当座借越契約」とは当座預金の残高を超えて、当座預金を引き出すことができる銀行との契約をといいます。
残高が貸方の場合は、口座残高がマイナスなのでこれは銀行から借りていると考えます。
決算時には、この分を借り入れている分だとわかるように勘定科目を置き換える処理をします。
この問題では「当座借越勘定に振り替えた」とありますので、貸方残高の50,000円を当座借越に振り替え(移動)します。
【仕訳の考え方】
1、当座預金(資産)の処理
2、当座借越(負債)の処理
1、当座預金(資産)の処理
⇨貸方の残高を0にして移動するため、借方に記入
当座預金 50,000/
2、当座借越(負債)の処理
⇨負債(+)なので貸方の右
当座預金 50,000/ 当座借越 50,000
銀行へ後で返す義務の負債があるということですね。
これで取引の仕訳が完了です。
当座預金マイナス残高を、借りていることがわかる「当座借越」勘定に移動した仕訳です。
問題文の指示によっては、「借入金」に振り替える場合もあります。どちらも後で払う義務があるということがわかる勘定科目です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 当座預金の貸方残高は残高マイナスを表す。
- 決算時の当座預金の貸方残高は借りたことがわかる勘定科目に振り替える。
(当座借越または借入金のどちらか、問題文の指示に従う。)
当座借越の決算整理については、ブログの67話で解説しています。
次回は、問題編38「消費税納税額の確定」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。