問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、当座借越契約を結んでいる会社が当座預金の残高を超えて、小切手を振り出した仕訳です。
問題29
当座借越関連の仕訳
商品300,000円分を仕入れ、代金は小切手で支払った。当社の当座預金残高は120,000円であるが、取引銀行と借越限度額500,000円の当座借越契約を締結している。
解き方解説
当座借越
「当座借越契約」とは当座預金の残高を超えて、当座預金を引き出すことができる銀行との契約をといいます。
契約した限度額まで、残高が足りなくても支払いをすることができます。
超えたものは、銀行に借りていることになります。
【仕訳の考え方】
仕訳は、仕入れをして小切手を振り出した仕訳です。
1、仕入(費用)の増加
2、当座預金(資産)の減少
1、仕入(費用)の増加
⇨仕入(+)なので借方の左
仕入 300,000 /
2、当座預金(資産)の減少
⇨当座預金(ー)なので貸方の右
仕入 300,000 / 当座預金 300,000
小切手を振り出したので、当座預金のマイナスです。
これで取引の仕訳が完了です。
取引後の当座預金残高
当座預金の残高を超えて小切手を振り出し、残高は右に180,000円となっています。
当座借越契約を結んでいる場合
当座預金残高が貸方にある=当座借越をしている
ということを表しているので、特に銀行に借りているという仕訳は期中に行いません。
決算時に、当座預金残高が貸方の場合は、処理を行います。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 当座借越契約を結んでいる場合は、限度額まで残高が不足しても小切手の振り出しなどができる。
- 当座預金残高が貸方(右)は銀行への当座借越があると考える。
- 決算時に貸方残の場合は処理を行う。
当座借越についてはブログの67話で紹介しています。
決算時の処理も一緒に確認してみてください。
次回は、問題編30「仮受金」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。