問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、現金過不足が判明し、後日その原因が判明した時の仕訳です。
問題28
現金化不足の原因判明の仕訳
先月末の実査において、現金の実際有高が帳簿残高よりも2,000円不足していることが判明していたため、現金過不足勘定で処理していた。
本日、買掛金の1,500円の支払いが記入漏れになっていることが判明した。残額については調査を継続する。
解き方解説
先月末、現金過不足を発見して処理をすでに行なっています。
2,000円不足している状態で、現金過不足はどちらに計上していたか考えてみましょう。
実際有高が帳簿残高よりも2,000円不足していた。
例えば・・
実際の現金残高が100,000円と仮定すると、帳簿が102,000円になっていたという感じです。
現金過不足の処理は、実際の現金残高に合わせますので、このような処理をしていたことがわかります。
- 帳簿の現金勘定を2,000円記入し(貸方に記入)、減少する処理
- 借方に現金過不足の計上
このうち、買掛金1,500円分を支払ったことが原因と判明した仕訳を行います。
【仕訳の考え方】
1、現金過不足の減少
2、買掛金(負債)の減少
1、現金過不足の減少
⇨借方にあった現金過不足を減少
/ 現金過不足 1,500
2、買掛金(負債)の減少
⇨買掛金(ー)なので借方の左
買掛金 1,500/現金過不足 1,500
買掛金を支払っているのことを仕訳していませんでした。
支払いなので、払う義務の負債がマイナスになります。
これで取引の仕訳が完了です。
【注意】
買掛金の減少とともに、判明時にも現金を減少する処理をしないようにしましょう。
現金で支払っていますが、現金過不足の発見時に現金の減少処理はすでに行なっていますので、重複して現金を減らさないようにしましょう。
現金過不足の残高が500円残っていますが、引き続き調査します。
この問題が決算日の場合は、残りの500円の処理を行います。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 現金過不足がどちらに計上されているかわからなくなったら、仮の数字でTフォームと金庫を書いて数字を入れてみる。
- 現金過不足の処理は、期中なのか決算日なのかを確認する。
(今回の問題は期中の処理です。)
現金過不足の判明についてはブログの59話で紹介しています。
次回は、問題編29「当座借越」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。