かんたん!イラストで分かる簿記

長崎で簿記講師をしています。イラストで簿記を学んでみましょう!

簿記きほんのき66【決算】決算整理(現金過不足の処理)

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簿記きほんのき66

いつもブログを見てくださり、ありがとうございます。
このイラストは、簿記の講義をしている中で、もっと簿記が楽しく学べないかな?と考えてホワイトボードに書き出して誕生しました。

ぜひ簿記を学んでみたいなと思う方に!

隙間時間に、日商簿記3級の範囲をイラストで簿記を学べるように作成しています。

 

 

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今日の学習内容

今日は、決算整理で行う現金過不足の処理について学習します。
前回学習したときは、現金過不足を発見して原因が判明した時まで。

今回は、決算日までとうとう現金過不足の原因がわからなかった場合の処理方法を学習します。

 

 

現金過不足発見時の仕訳(おさらい)

発見した時の仕訳は58話で学習しましたので、その時のイラストだけ掲載します。

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 現金過不足の発見時にこのような仕訳をしていました。
原因はわからないけど、帳簿より実際の現金が多かったのですね。

「現金を何かで受け取ったはずなのに記帳してないのかな?」と調べていきます。

 

 

決算日になっても原因がわからない時

調査を進めても決算時に、現金過不足勘定に残高がある時は、原因不明のまま未処理だということです。

その時は、適切な勘定に振り替えて、現金過不足勘定を0にします。

 

現金過不足の残高を振り替える勘定科目

「適切な勘定に振り替える」とありましたね。

現金過不足の残高を振り替える勘定科目は以下の、2つのうちどちらかを使います。

どちらを使うかは、現金過不足の残高が借方・貸方のどちらにあるかで決まります。

 

 

本日新しく登場する勘定科目

「雑益」勘定

営業活動以外に関連した収入のうち、ほとんど発生しないもの、または金額が少額で重要ではないものを計上する時に使用する勘定科目。
雑収入や雑収益と記載されることもある。

 

  • 「雑益」は収益のグループ
  • 収益グループなので、損益計算書の右側に記載されます。
  • 収益は損益計算書の右に書かれているので
    雑益(+)→ 右(雑益が増加)
    雑益(ー)→ 左(雑益が減少)

 

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「雑損」勘定

営業活動以外に関連して発生した費用のうち、ほとんど発生しないもの、または金額が少額で重要ではないものを計上する時に使用する勘定科目。
雑損失と記載される場合もある。

 

  • 「雑損」は費用のグループ
  • 費用グループなので、損益計算書の左側に記載されます。
  • 費用は損益計算書の左に書かれているので
    雑損(+)→ 左(雑損が増加)
    雑損(ー)→ 右(雑損が減少)

 

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現金過不足決算時の処理(貸方残高)

決算において、現金過不足勘定の貸方残高が5,000円であるため適切な科目に振り替える。

  

現金過不足の勘定がこのような状態ということです。

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決算時には現金過不足は残高0円にする!
   

 

【仕訳の考え方】
 1、現金過不足の残を0にするために、
   残高の反対に同じ金額を書く。
 2、仕訳の空いている方が
   右なら雑益、左なら雑損を書く。

 

1、現金過不足の貸方残を0にする。
  ⇨現金過不足の借方に5,000円書いて0にする。

(借) 現金過不足 5,000  

 

2、右(貸方)が空いているので収益(+)。
    ⇨雑益(+)なので貸方に記入


  (借) 現金過不足 5,000雑益 5,000 

 

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現金過不足決算時の処理(借方残高)

決算において、現金過不足勘定の借方残高が3,000円であるため適切な科目に振り替える。

  

現金過不足の勘定がこのような状態ということです。

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決算時には現金過不足は残高0円にする!
   

 

【仕訳の考え方】
 1、現金過不足の残を0にするために、
   残高の反対に同じ金額を書く。
 2、仕訳の空いている方が
   右なら雑益、左なら雑損を書く。

 

1、現金過不足の借方残を0にする。
  ⇨現金過不足の貸方に3,000円書いて0にする。

(借)                      現金過不足 3,000

 

2、左(借方)が空いているので雑損(+)。
    ⇨雑損(+)なので借方に記入


  (借) 雑損  3,000 /現金過不足 3,000 

 

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現金過不足を決算時に発見した時

決算日に現金過不足を発見した時は、現金過不足勘定を使わず、そのまま雑損か雑益で処理をします。

 

例えば、このような場合です。

決算において、現金を確認したところ1,000円不足していた

  

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現金が多かった場合は、現金勘定を増加して、雑益の発生となります。

現金過不足で処理しても、結局決算時は0にするので、一度現金過不足で処理して、雑益か雑損勘定に振り替えても同じ結果になります。

 

最後に

今日は少しブログいつもより長めでしたね。最後まで読んでくださってありがとうございました。

現金過不足の処理は面倒な感じがする方もいらっしゃるかもしれませんが、決算の時は0にするというゴールを覚えていれば間違えにくいと思いますよ。

頑張って、決算処理明日からも進めていきましょう!

 

 

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