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簿記きほんのき93【仕訳】消費税の仕訳(税抜方式)

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簿記きほんのき93

 今日の学習内容

今日は、消費税を預かった時と支払った時の処理を学習します。仕訳の記帳方法によって2種類あります。そのうちの税抜方式、消費税を別の勘定科目で分けて処理する方法を学習します。

 

 

 前回のおさらい

前回は、消費税の納税のしくみを学習しました。

納税額は、預かった(受け取った)消費税から支払った消費税を計算して、納税をします。
ちなみに、計算の結果、支払った消費税が多くなった場合は、還付されます。

 

 消費税納税額=預かった消費税ー支払った消費税

 

マチ子さんの会社の例

5,000円(預かり)ー500円(支払い)=4,500円(納税)です。

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 税抜方式での処理

会社が消費税を預かったり、支払ったりした時にその消費税額を別の勘定科目で記載する方法です。

使用する消費税の勘定科目は以下の通りです。

 

「仮払消費税」勘定

税抜方式の処理において、消費税を支払った時に使用する勘定科目。

 

  • 「仮払消費税」は資産のグループ
  • 資産グループなので、貸借対照表の左側に記載されます。
  • 資産は貸借対照表の左に書かれているので

   仮払消費税(+)→ 左

   仮払消費税(ー)→ 右

 

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「仮受消費税」勘定

税抜方式の処理において、消費税を預かった(受け取った)時に使用する勘定科目。

 

  • 「仮受消費税」は負債のグループ
  • 負債グループなので、貸借対照表の右側に記載されます。
  • 負債は貸借対照表の右に書かれているので

   仮受消費税(+)→ 右

   仮受消費税(ー)→ 左

 

 

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 消費税を支払った時の仕訳

商品11,000円(税込)を仕入れ代金は現金で支払った。(税抜方式で処理)

 

この仕訳は、仕入れをした時の処理です。

 

税抜処理なので、消費税を別の勘定科目で処理します。
この例題は、仕入れの際に消費税を支払っているので、「仮払消費税」を使用します。

消費税額は、1,000円ですね。

 

現金から書いていくと間違えにくいかもしれません。
(いくら現金が減少したかはすぐわかるので)

 

【仕訳の考え方】

1、支払った現金(資産)を減少。

2、仕入(費用)の増加。

3、仮払消費税(資産)を増加。

 

 

1、現金(資産)の減少。
  資産のマイナスなので
  相手に支払ったのは11,000円です。

  ⇨現金(ー)貸方の右。

 

(借)     /現金 11,000

 

 

2、仕入(費用)の増加。
  費用のプラスなので

  ⇨仕入(+)借方の左

 

(借)入 10,000 /現金 11,000

 

※仕入れしたのは10,000円で、1,000円は消費税なので気をつけてください。

 

 

3、仮払消費税(資産)を増加。
  資産のプラスなので

  ⇨仮払消費税(+)借方の左

 

(借)仕入 10,000         /現金 11,000
   仮払消費税1,000/

 

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 消費税を預かった時の仕訳

商品50,000円(税別)を売り上げ、消費税5,000円と共に現金で受け取った。(税抜方式で処理)

 

この仕訳は、売り上げをした時の処理です。

 

税抜処理なので、消費税を別の勘定科目で処理します。
この例題は、売り上げの際に消費税を預かっているので、「仮受消費税」を使用します。

消費税額は、5,000円ですね。

 

【仕訳の考え方】

1、受け取った現金(資産)を増加。

2、売上(収益)の増加。

3、仮受消費税(負債)を増加。

 

 

1、現金(資産)の増加。
  資産のプラスなので
  相手から受け取ったのは55,000円です。

  ⇨現金(+)貸方の右。

 

(借)現金 55,000

 

 

2、売上(収益)の増加。
  収益のプラスなので

  ⇨売上(+)貸方の右

 

(借)現金 55,000/ 売上 50,000

 

※売り上げたのは50,000円で、5,000円は消費税なので気をつけてください。

 

 

3、仮受消費税(負債)を増加。
  負債のプラスなので

  ⇨仮受消費税(+)貸方の右

 

(借)現金 55,000/ 売上 50,000
                         / 仮受消費税5,000

 

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仮払・仮受がわかりにくい方へ

仮払と仮受のポジションがどっち?となったときは、シンプルに現金で仮払いしたら?などと考えて確認しましょう。

  1. 現金100円を仮払いした。
  2. 現金100円を仮に受け取った。

 

1のように現金を仮払いしたと考えると、現金が減少するので右に現金勘定がきます。
なので、左が「仮払い」と考えてみましょう。

 

2も同じように、現金を受け取っているので、現金勘定は左にきます。なので、仮受は右だと判断します。

 

イラストのこの部分ですね。

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明日は、税抜方式の場合の決算時の仕訳と納税の処理を学習します。

今日も最後までありがとうございました。

 

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