日商簿記3級を学習される方へおさらいができるように問題を一つずつ出題しています。これから学習する方は、簿記きほんのきからご覧ください!!
今回は、会社で計上された利益の配当と処分が決定された場合の仕訳問題です。
問題66
繰越利益剰余金の配当と処分の仕訳
株主総会で繰越し利益剰余金500,000円の一部を次の通り処分することが承認された。
株主配当金:100,000円
利益準備金積み立て:10,000円
仕訳解答
仕訳の解答です。
解き方解説
株式会社の利益は会社の所有者である株主のものです。
利益がどう使われるか、株主総会で決めます。
- 株主配当金
株主への利益の分配
- 利益準備金の積み立て
会社法により積み立てが強制されている、会社の財産を社内に留保すること。
繰越利益剰余金
会社は当期の利益を損益勘定で計算し、繰越利益剰余金に振り替えました。
使い道が決まるまで、繰越利益剰余金に計上していたものから、今回配当と積み立てを行います。
この残高のうち、今回使い道が決定した分だけ、繰越利益剰余金が減少します。
今回の処理はこの内容ですね。
- 株主への配当100,000円
後日、株主への支払を行います。 - 利益準備金(純資産)への積み立て10,000円
【仕訳の考え方】
1、未払配当金(負債)の増加
2、利益準備金(純資産)の増加
3、繰越利益剰余金(純資産)の減少
1、未払配当金(負債)の増加
⇨負債(+)なので貸方の右
/ 未払配当金 100,000
後日支払を行うので、決定時は未払配当金という後で払う義務を計上します。
2、利益準備金(純資産)の増加
⇨純資産(+)なので貸方の右
/ 未払配当金 100,000
/利益準備金 10,000
3、繰越利益剰余金(純資産)の減少
⇨純資産(ー)なので借方の左
繰越利益剰余金 110,000
/ 未払配当金 100,000
/利益準備金 10,000
これで取引の仕訳が完了です。
次回は、問題編67「手形による借り入れ」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。