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簿記きほんのき85【決算】収益の見越しと翌期首の処理

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簿記きほんのき85

 

今日の学習内容

昨日まで、繰延べの仕訳を行ってきました。今日から、決算時の見越しの処理に入ります。85話は収益の見越しのみ学習します。

 

 

 

収益・費用の見越し処理とは

見越しの処理も繰延べと同じように

正しい仕訳をしても、収益や費用が当期分になっていない時に、決算時で調整を行う処理のことをいいます。

 

例えばこんな時・・

  • 今年の受取利息(収益)なのに、次期にもらうので今年分の収益が計上されていない。

  • 今年の通信費(費用)なのに、まだ払っていないので今年分の費用が計上されていない。

 

繰延は、次期分が入っているものをマイナスしましたが、見越しは計上されていないものをプラスする処理です。

 

見越しの処理パターン

見越しの処理も2つのパターンです。

  1. 収益の見越し
    当期の収益なのに、後でもらうことになっている収益を計上する。
  2. 費用の見越し
    当期の費用だけど、後払いなどで払っていない分の費用を計上する。

当期に払うはずの費用や、当期にもらうはずの収益を計上することを見越しといいます。
(払ったと見越して、もらったと見越して計上する)

 

 

 今日は、「収益の見越し」のみ仕訳を確認しましょう。

 

 

収益の見越しの仕訳

当期の9月1日に土地を1年契約3,600円で貸した。土地を貸した代金は1年後の次期8月31日に受領する。決算において、当期分の受取地代を計上する。決算日は3月31日。

  

Step1
まずはタイムレコードを書いて情報を整理しましょう!

 

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当期の9月1日から土地を貸していますが、後でもらう約束なので当期の収益が計上されていません。

この、当期の収益を計上する仕訳を行います。

 

 Step2

当期分の受取地代を計算しましょう。

 3,600円×7ヶ月÷12ヶ月=2,100円

 

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 Step3

決算時の見越しの仕訳をしましょう。

 

【仕訳の考え方】

 1、当期分の受取地代(収益)を増やす。

 2、未収地代(資産)の計上。
   後で代金をもらえる権利

 

 

1、当期分の受取地代(収益)を増やす。
  収益のプラスなので

  ⇨受取地代(+)貸方の右。

 

(借)      /受取地代 2,100 

 

2、未収地代(資産)の計上。
         資産のプラスなので

  ⇨未収地代(+)借方の左

 

(借)未収地代 2,100受取地代 2,100

 

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この仕訳で、 今年分の受取地代2,100円が計上されましたね。

 

 

未収地代の勘定科目

未収は後でもらえる権利を表す科目なので、資産の勘定です。

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収益の見越し翌期首の処理

前回の繰延べで学習した時と同じように、翌期首には再振替仕訳を行います。

再振替仕訳は決算時に行った時の逆仕訳です。

先ほどの仕訳例ならば

「受取地代2,100/未収地代2,100」が再振替仕訳です。

 

参考までに、8月31日に地代をもらった時まで書いてみました。
再振替をすることで地代が正しい金額になっていることを確認してください。

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練習問題

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練習問題解答

 

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明日は、費用の見越しを学習します。

今日も最後までありがとうございました!

 

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