問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、決算整理仕訳です。受け取っている家賃を当期分だけの収益にします。
問題53
決算(収益の前受)仕訳
受取家賃は今年契約したもので、7月1日と1月1日に向こう6ヶ月分を受け取っている。決算(3月31日)にあたり、未経過分を前受家賃に計上する。
受取家賃の決算整理前残高は110,400円である。
解き方解説
受取家賃(収益)は、7月と1月に6ヶ月分ずつ受け取っています。
その際に計上された、受取家賃の110,400円があり、その中に次期分まで含まれています。
決算時に行う処理は
- 当期分の受取家賃(収益)だけの金額にする。
- すでに受け取っている分は前受として処理する。
すでに受け取っている金額はいくら??などを整理するために問題を読みながらタイムレコードを書いていきます。
タイムレコード
時系列に書いて、情報を整理していきましょう。
1、会計期間を記入
2、家賃を受け取った日付を記入
3、決算日から超えた分の月数を記入。
1月1日に6ヶ月受け取っているので、3ヶ月が次期分とわかります。
4、3ヶ月分の受取家賃を計算。
計算ができたところで、以下の内容を仕訳していきます。
- 受取家賃に含まれる次期分を減らす処理
- 次期分を前受家賃として計上する処理
【仕訳の考え方】
1、受取家賃(収益)の減少
2、前受家賃(負債)の増加
1、受取家賃(収益)の減少
⇨収益(ー)なので借方の左
受取家賃 27,600/
2、前受家賃(負債)の増加
⇨負債(+)なので貸方の右
受取家賃 27,600 /前受家賃 27,600
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 決算時には今年分だけの収益にする。
- タイムレコードを書いて情報を整理。
- 「前もって受け取っている。」分なので、前受(負債)として次期分は計上する。
決算時に行う次期分の収益や費用の処理の概要は、ブログの80話でぜひ確認してください。
決算時の収益の前受処理については、ブログの82話でおさらいできます。
次回は、問題編54「決算整理(家賃の前受け2)」の問題にチャレンジしてみましょう。
同じ家賃の前受ですが、毎年受け取っている家賃についての処理です。
今日も最後までありがとうございました。