今日の学習内容
今回のイラストは、決算整理の処理です。
期中に取引した収益と費用を調整するための決算時に行う仕訳、繰延べと見越しの概要を学習します。
収益・費用の繰延べ、見越し処理とは
期中に取引を正しく仕訳していても、当期の収益と費用が正確ではないことがあります。(間違えて仕訳したということではないですよ)
正しい仕訳をしても、収益や費用が当期分になっていない時に、決算時で調整を行う処理のことをいいます。
例えばこんな時・・
- 受取家賃(収益)の金額に、翌期以降の分が含まれている。
- 支払利息(費用)の金額に、翌期以降の分が含まれている。
- 今年の受取利息(収益)なのに、次期にもらうので今年分の収益が計上されていない。
- 今年の通信費(費用)なのに、まだ払っていないので今年分の費用が計上されていない。
このような場合に繰延べや見越しの処理を行います。
もう少し具体的な例でみてみましょう。
- 受取家賃(収益)の金額に、翌期以降の分が含まれている。
12月1日に家賃1年分の120,000円をもらっていますが、80,000円は次期(来年)分です。
翌期分の収益をマイナス⇨今年の分だけにする。
- 支払利息(費用)の金額に、翌期以降の分が含まれている。
7月1日に1年分の利息12,000円を支払っているが、3,000円は次期(来年)分です。
翌期分の費用をマイナス⇨今年の分だけにする。
繰延べとは
- 当期に払った費用から、次期以降の分を差し引いて次期に持ち越す。
- 当期に受け取った収益から、次期以降の分を差し引いて次期に持ち越す。
次期以降の分を差し引いて、時期に持ち越すことを繰延べといいます。
(時期に持っていく)
見越しとは
- 当期の費用だけど、後払いなどで払っていない分の費用を計上する。
- 当期の収益なのに、後でもらうことになっている収益を計上する。
当期に払うはずの費用や、もらうはずの収益を計上することを見越しといいます。
(払ったと見越して、もらったと見越して計上する)
つまりこの処理は
「今年、計上するべき金額はいくらか?」=今年分はいくらか?
今年分(当期分)だけの費用と収益にする仕訳です。
繰延べ、見越し処理の目的
「今年分の収益にする、今年分の費用にする」この目的は、正しい損益の計算をするためです。
当期の利益を計算する損益計算書ですが、次期分が収益や費用に含まれていると、当期の利益は正しく計算されません。
なので、決算整理で調整する仕訳を行い、今年の正しい利益が計算されるようにします。
明日から具体的な仕訳に進みます。今日は、「費用・収益の繰延と見越し」この処理で当期分(今年の分)だけにするんだ!ということが分かればOKです!
苦手な方が多い繰延べと見越しですが、この目的をまず知っておきましょう。
今日も最後までありがとうございました!
Twitterは 144話「商品有高帳と売上総利益(先入先出法)」まで公開しています!
簿記きほんのき144
— アヤコ@かんたん!イラストでわかる簿記 (@easy_boki) 2020年4月13日
「商品有高帳と売上総利益(先入先出法)」
商品有高帳から
売上原価と売上総利益を計算します。
移動平均法と利益が異なりますので
確認しましょう!#イラスト簿記#勉強垢 #簿記 #簿記2級#簿記3級 #経理#長崎 #日商簿記 pic.twitter.com/HdK872cCxG