今回は、期中に判明した現金過不足を決算時に改めて確認し一部の内容がわかった時の仕訳です。
日商簿記3級を学習される方へおさらいができるように問題を一つずつ出題しています。
これから学習する方は、簿記きほんのきからご覧ください!!
問題99
現金過不足の仕訳
決算日において、現金過不足(不足額)10,000円の原因を改めて調査したところ、通信費12,000円、受取手数料5,000円の記入漏れが判明した。残額は原因が不明であったため、適切な処理を行う。
仕訳解答
仕訳の解答です。
通信費 12,000/現金過不足 10,000
雑損 3,000 /受取手数料 5,000
解き方解説
現金過不足勘定の残高がどちらにあるか確認しましょう。
帳簿を実際の金額と同じにする処理をしていますね。
実際が10,000円不足=帳簿が10,000円多いということです。
帳簿の現金を10,000円減少させて、現金過不足を相手勘定に仕訳をしています。
現金過不足を発見したときは、このように仕訳しており、「現金過不足」は借方に残高があります。
今回の問題は、決算時の仕訳です。
決算時には「現金過不足勘定の残高はゼロにする」という処理が必要ですね。
今回の処理はこの内容
現金過不足の残高をゼロにするとともに、判明した費用や収益を計上します。
不明な残高は、雑損か雑益を計上します。
- 現金過不足をゼロにする処理
- 通信費を計上する処理
- 受取手数料を計上処理
- 貸借差額で雑損か雑益を計上する処理
【仕訳の考え方】
1、現金過不足をゼロにする
2、通信費(費用)の増加
3、受取手数料(収益)の増加
4、雑損(費用)の増加
今回は、雑損が計上されます。
1から3の仕訳をして判断していきましょう。
1、現金過不足をゼロにする
⇨現金過不足の貸方に記入してゼロにする
/ 現金過不足 10,000
2、通信費(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
通信費 12,000/現金過不足 10,000
3、受取手数料(収益)の増加
⇨収益(+)なので貸方の右
通信費 12,000/現金過不足 10,000
/受取手数料 5,000
判明分の計上が終わったら、貸借差額を計算して金額を記入しましょう。
- 雑損(費用)⇨費用なので、左に残高
- 雑益(収益)⇨収益なので、右に残高
今回は左に3,000円の残高があります。
4、雑損(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
通信費 12,000/現金過不足 10,000
雑損 3,000 /受取手数料 5,000
これで取引の仕訳が完了です。
次回は、問題編100「現金化不足(決算時)」の別パターンの問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。