今回は、雇用保険料の納付についての仕訳です。
日商簿記3級を学習される方へおさらいができるように問題を一つずつ出題しています。
これから学習する方は、簿記きほんのきからご覧ください!!
問題95
雇用保険料納付の仕訳
7月5日に本年度1年分の雇用保険料187,200円を現金で納付した。そのうち132,000円は会社負担分であり、残額は従業員負担分である。
なお、従業員負担分のうち4月から6月の3ヶ月分については月額相当分を毎月給料から差し引いているが、7月以降の9ヶ月分については会社が立替払いする。
また、当社では従業員立替金勘定を使って記帳している。
【使用勘定科目】
現金・従業員立替金・社会保険料預り金・法定福利費
仕訳解答
仕訳の解答です。
解き方解説
問題文を読むのが大変な問題ですね・・。
メインは雇用保険料を現金で支払った仕訳なのですが、雇用保険料は会社負担分と従業員負担分があります。
会社がまとめて1年分の187,200円を支払っており、そのうち会社負担分の132,000円は、法定福利費で処理します。
では、従業員負担分はどう処理するのでしょうか?
問題文を見るとこう書いていますね。
- 3ヶ月分はすでに給料から差し引いて預かっている。
- 残り9ヶ月の従業員負担分は、立て替えている。
今回の仕訳で注意するポイント
- 従業員への立て替えは従業員立替金勘定を使用する。
- すでに預かっている分は、使用する勘定科目を確認すると社会保険料預り金が一番適切です。
※実務では、会社の使用している勘定科目や処理方法を確認して行ってください。
(他にもパターンがあります。)
今回の処理はこの内容ですね。
- 現金の処理
- 会社負担分の処理
- 従業員から預かった分の処理
- 従業員立替分の処理
わかりやすい現金から処理していきましょう!
【仕訳の考え方】
1、現金(資産)の減少
2、法定福利費(費用)の増加
3、社会保険料預り金(負債)の減少
4、従業員立替金(資産)の増加
1、現金(資産)の減少
⇨資産(ー)なので貸方の右
/ 現金187,200
2、法定福利費(費用)の増加
⇨費用(+)なので借方の左
法定福利費132,000/現金187,200
3、社会保険料預り金(負債)の減少
⇨負債(ー)なので借方の左
法定福利費 132,000/現金187,200
社会保険料預り金13,800 /
預かっていたのは従業員負担分のうち、3ヶ月分だけです。
計算をして預り金の減少の処理をしましょう。
4、従業員立替金(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
法定福利費 132,000/現金187,200
社会保険料預り金13,800/
従業員立替金 41,400/
従業員から後で立て替えた分をもらう権利が発生しています。
これで取引の仕訳が完了です。
次回は、問題編96「訂正仕訳」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。