日商簿記3級を学習される方へおさらいができるように問題を一つずつ出題しています。これから学習する方は、簿記きほんのきからご覧ください!!
今回は、現金過不足を決算日に発見した時の仕訳です。
問題77
現金過不足の仕訳
決算日において、現金勘定の残高は88,000円であり、金庫の中を実査したところ、次のものが入っていた。
このうち売掛金の回収として受け取った得意先振出の小切手10,000円が未処理であることが判明した。よって未処理事項を含む決算整理仕訳を行いなさい。
【金庫の中身】
- 他店振出小切手:23,000円
- 他店振出の約束手形:20,000円
- 郵便為替証書:17,000円
- 紙幣、硬貨:60,000円
仕訳解答
仕訳の解答です。
解き方解説
今回の仕訳は、未処理事項の仕訳と金庫の内容を計算して、現金勘定残高との差があるか確認します。
帳簿残高と実際の現金に差があれば、現金過不足を決算時に発見した処理が必要です。
①未処理事項の仕訳
売掛金を得意先振出の小切手で受け取っています。
他人振出小切手は受け取った時に、現金の増加と処理するのでしたね。
1、現金(資産)の増加
2、売掛金(資産)の減少
1、現金(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
現金 10,000 /
1、売掛金(資産)の減少
⇨資産(ー)なので貸方の右
現金 10,000 / 売掛金 10,000
この未処理事項で、現金勘定の残高が10,000円増加していることを忘れないようにしましょう。
②現金勘定と金庫の差額確認
【現金勘定の残高】
⇨98,000円
(問題文に記載あった88,000円と未処理事項で10,000円増加しています)
【金庫の中身】
⇨100,000円(赤文字の合計)
- 他店振出小切手:23,000円
- 他店振出の約束手形:20,000円
- 郵便為替証書:17,000円
- 紙幣、硬貨:60,000円
未処理事項の仕訳を行い、現金勘定と実際の現金(簿記上現金として処理するもの)残高が判明して、差がわかりました。
帳簿残高より、実際の現金が2,000円多かったのですね!
決算日なので、最後に決算整理仕訳を行いましょう。
【決算整理仕訳】現金過不足の処理
決算日に現金過不足が判明した場合は、雑益か雑損で処理を行います。
今回は、実際の現金が多かったので雑益(収益)を計上します。
1、現金(資産)の増加
2、雑益(収益)の増加
1、現金(資産)の増加
⇨資産(+)なので借方の左
現金 2,000 /
1、雑益(収益)の増加
⇨収益(+)なので貸方の右
現金 2,000 / 雑益 2,000
イラストにも書いていますが、現金を実際に合わせて2,000円増加させるので、現金が借方に書かれます。
貸方の右が空いているので、収益の増加=雑益と判断してもOKです。
これで未処理事項と現金過不足の決算仕訳が完了です。
現金過不足の決算時の処理についてはブログの66話でおさらいができます!!
次回は、問題編78「訂正仕訳」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。