問題編は、日商簿記3級範囲の仕訳練習問題をお届けしています。
今回は、商品を仕入れた際に相手負担の仕入諸掛(運賃などの費用)を支払った場合の仕訳です。
問題24
仕入諸掛(相手負担)の仕訳
佐世保株式会社から商品120,000円を仕入れ、代金は掛けとした。
なお、仕入れの際に運賃3,000円を現金で立替払いした。立替分については掛け代金と相殺する。
解き方解説
相手負担の仕入諸掛を払った時の仕訳は2通りあります。
- 掛け代金と相殺する
- 立替金勘定を使う
今回の問題は、「立替分は掛け代金と相殺する」とありますので、1の方法で処理します。
ちなみに、2の立替金勘定を使った場合はこのような仕訳です。
立替金を使用せず、掛け代金と相殺する仕訳の考え方を2通り紹介します。
どちらか理解しやすい考え方で仕訳を行なってください。
【仕訳の考え方1】
立替金の分は買掛金を支払ったことにしようとする仕訳。
1、仕入(費用)の増加
2、買掛金(負債)の増加
3、買掛金(負債)の減少
4、現金(資産)の減少
5、仕訳の相殺
1、仕入(費用)の増加
⇨仕入(+)なので借方の左
仕入 120,000 /
2、買掛金(負債)の増加
⇨買掛金(+)なので貸方の右
仕入 120,000/買掛金 120,000
3、買掛金(負債)の増加
⇨買掛金(ー)なので借方の左
仕入 120,000 /買掛金 120,000
買掛金 3,000/
立替をした運賃分は、買掛金を支払ったとして、買掛金を減少させます。
4、現金(資産)の減少
⇨現金(ー)なので貸方の右
仕入 120,000 /買掛金 120,000
買掛金 3,000/現金 3,000
5、仕訳の相殺
買掛金が借方と貸方にありますので、相殺して貸方に117,000円が残ります。
もう一つみてみましょう。
【仕訳の考え方2】
立替金のもらう権利と買掛金の払う義務を相殺するという考え方。
- 後で払う義務 120,000円ある
- 後でもらう権利3,000円ある
それなら、117,000円だけ払えばいいよね!という考え方です。
立替金勘定で仕訳を書いてみて、この問題は「掛け代金と相殺する」なので立替金勘定が使えません。
なので、立替金(もらえる権利)を消し 、その分の買掛金(支払う義務)を消すという考え方です。
どちらか、考えやすい方で理解していきましょう。
これで取引の仕訳が完了です。
仕訳解答
では改めて仕訳の解答です。
仕訳のポイント
- 仕入諸掛の相手負担は「立替金」で処理する方法と、掛け代金と相殺する方法の2通りがある。
- どちらで処理するかは、問題文の指示または使用できる勘定科目で選択する。
貯蔵品についてはブログの31話で紹介しています。
次回は、問題編25「売掛金の回収」の問題にチャレンジしてみましょう。
今日も最後までありがとうございました。