かんたん!イラストで分かる簿記

長崎で簿記講師をしています。イラストで簿記を学んでみましょう!

簿記きほんのき121【仕訳】商品売買(分記法)

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簿記きほんのき121

 今日の学習内容

商品売買の取引はこれまでも「仕入や売上」の勘定科目を使って行ってきましたが、もう一つ仕訳の方法があります。それが今日学習する分記法という記帳方法です。

 

分記法による取引の記帳

分記法とは、商品売買の取引を「商品」と「商品売買益」の2つの勘定科目で記帳する方法です。

分記法ではこのように処理します。

  • 商品を仕入れた時に
    →商品が増えたと処理
    商品の金額は原価で書く

  • 商品を販売した
    →その都度商品を売った利益を計上

 商品原価と売価の差額で利益がわかりますね。

 

本日新しく登場する勘定科目

「商品」勘定

商品の原価を表す勘定科目。

  • 「商品」は資産のグループ
  • 資産グループなので、貸借対照表の左側に記載されます。
  • 資産は貸借対照表の左に書かれているので

    商品(+)→ 左(商品が増加)
    商品(ー)→ 右(商品が減少)  

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「商品売買益」勘定

商品を販売して得た利益を表す勘定科目。

  • 「商品売買益」は収益のグループ
  • 収益グループなので、損益計算書のに記載されます。
  • 収益は損益計算書の右に書かれているので

    商品売買益(+)→ 右(利益が増加)
    商品売買益(ー)→ 左(利益が減少)

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商品を仕入れた時の仕訳

商品@500円を10個仕入れ、代金は掛けとした。
   

【仕訳の考え方】
 1、商品という資産が増加した。
   (原価@500円×10個)
 2、代金を払う義務(負債)が増加。

 

 

1、商品(資産)が増加した。
  ⇨商品(+)なので借方の左

(借) 商品 5,000 

 

2、代金を払う義務(負債)が増加。 
    ⇨買掛金(+)なので貸方の右


  (借)商品 5,000 買掛金 5,000

 

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商品を売り上げた時の仕訳

@500円で仕入れた商品を@800円で3個売り上げ、代金は掛けとした。
   

販売した時の利益は・・

商品500円×3個=1,500円
売価800円×3個=2,400円 なので

ここでの利益は、900円になりますね。

 

【仕訳の考え方】
 1、商品が減少した。
  (原価@500円×3個なくなった)
 2、代金を受け取る権利(資産)が増加。
        (売価@800円×3個分もらえる)
 3、売買での利益を計上。

 

 

1、商品(資産)が減少した。
  ⇨商品(ー)なので貸方の右

                      商品 1,500 

 

2、代金を受け取る権利(資産)が増加。 
    ⇨売掛金(+)なので借方の左

 

売掛金 2,400 /商品 1,500

 

 

3、販売した利益(収益)が増加した。 
    ⇨商品売買益(+)なので貸方の右


売掛金 2,400 /商品 1,500
      /商品売買益900

 

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続いて、分記法で記帳している場合の返品処理を見てみましょう。

 

分記法による返品の処理

仕入れた商品を返品した時

「 掛けで仕入れた商品(原価@500円)のうち、2個を返品した。

 

【仕訳の考え方】
 1、商品という資産が減少した。
           (原価@500円×2個がなくなる)
 2、代金を払う義務(負債)が減少した。
         

 

1、商品(資産)が減少した。
  ⇨商品(ー)なので貸方の右

(借)       商品 1,000

 

2、代金を払う義務(負債)が減少した。 
    ⇨買掛金(ー)なので借方の左


  (借)買掛金 1,000 /商品 1,000

 

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販売した商品が返品された時

@800円で3個掛けで販売した商品(原価@500円)のうち2個が返品された。
   

商品が返品されたので商品(500×2個)が増加します。

また、販売した時に利益を計上していた分を取り消します。

 

【仕訳の考え方】
 1、商品が増加した。
         (原価@500円×2個増える)
 2、代金を受け取る権利(資産)が減少。
           (売価@800円×2個分減少)
 3、売買での利益が減少した。

 

 

1、商品(資産)が減少した。
  ⇨商品(+)なので貸方の右

 

商品 1,000  

※500円の商品が2個戻ってきた。

 

2、代金を受け取る権利(資産)が減少。
       返品された2個分の売掛金が減少します。 
    ⇨売掛金(ー)なので借方の左

 

 商品 1,000売掛金 1,600

 ※800円の売価で2個分の売掛金。

 

3、利益(収益)が減少した。 
    ⇨商品売買益(ー)なので貸方の右


商品 1,000        /売掛金 1,600 
商品売買益600

 ※1つあたり、300円の利益、2個分のマイナス。

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これで、分記法の仕訳は完了です。
 

分記法のメリットとデメリット

メリット

  • 販売するごとに利益を確認することができる
  • 商品の残高は売れ残りを示すので、決算整理仕訳で売上原価の算定をする必要がない。 

デメリット

  • 販売するごとに、利益を確認しないといけないので、取引回数が多い企業では手間がかかる。

 もし、スーパーなど毎日多くの販売がある会社には不向きな記帳方法ですね。美術品など販売回数が少ない業種には良いですね。

 

なお、日商簿記3級では、三分法と分記法が試験範囲です。
出題頻度としてはほぼ三分法ですが、問題文に「分記法」の指示があった場合は今回の処理を思い出して解答しましょう!

 


今日も最後までありがとうざいました。

次回は帳簿の締め入りです! 

 

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