かんたん!イラストで分かる簿記

長崎で簿記講師をしています。イラストで簿記を学んでみましょう!

簿記きほんのき79【仕訳】減価償却した固定資産の期中売却

 

f:id:easy_boki:20200412201414j:plain

簿記きほんのき79

今日の学習内容

前回のイラストは、減価償却した固定資産を期首に売却したケースでした。今日は、「会計期間の途中で売却している」場合の仕訳を学習します。

 

 

期首に固定資産を売却した場合(おさらい)

前回(78話)で、 減価償却をした固定資産を売却した時は、このような処理をすると学習しました。期首で売却した場合です。

  • 売却した固定資産を減少
  • 売却した分の減価償却累計額を減少
  • 受け取った代金を増加
  • 差額を売却損か売却益で処理

f:id:easy_boki:20200412203726j:plain

 

期中に固定資産を売却した場合

期中に売却した場合は、減価償却累計額の減少だけでなく、期首から売却日まで使った分の減価償却費を計上します。

f:id:easy_boki:20200412203825j:plain

 

固定資産期中売却の仕訳

2016年4月1日に取得した車両(取得原価500,000円、間接法で記帳)を2018年9月30日に180,000円で売却し、代金は現金で受け取った

 

問題を読みながら、簡単なタイムレコードを書き、情報を整理しましょう。 

 

f:id:easy_boki:20200412210004j:plain

【仕訳の考え方】
 1、車両(資産)が減少した。
 2、減価償却累計額
   (資産のマイナス)が減少。
    3、使った分の減価償却を計上。
 4、現金(資産)が増加した。
 5、貸借の差額で、売却益を計算

 

※現金が増加したからなど、仕訳の順番はわかりやすいところからでOKです!

f:id:easy_boki:20200412210052j:plain 

1,車両(資産)が減少した。
    ⇨車両(ー)なので貸方の右
           

         車両 500,000

  

 

2,減価償却累計額(資産のマイナス)が減少。
    ⇨減価償却累計額(ー)で借方の左
           

減価償却累計額200,000  /車両 500,000

 

 

3,減価償却費(費用)が増加。
    ⇨減価償却費(+)で借方の左
           

減価償却累計額200,000  /車両 500,000
減価償却費    50,000

 

 

3,現金(資産)が増加した。
  ⇨現金(+)なので借方の左

減価償却累計額200,000 /車両 500,000
減価償却費    50,000 /
現金     180,000 /

  

 

4,固定資産売却損(費用)が増加。
    ⇨固定資産売却損(+)で借方の左
   ※差額で左に記入するのは費用。


減価償却累計額200,000 /車両 500,000
減価償却費    50,000 /
現金     180,000 /

固定資産売却損  70,000/

 

 

期中売却の仕訳、勘定科目も長くて計算も多いですが、下書きをしっかりして練習しましょう。

練習のために、決算日を12月31日にした練習問題を用意しましたので、チャレンジしてみてください。

 

練習問題

平成26年1月6日に取得した備品(取得原価320,000円、残存価額ゼロ、耐用年数8年、定額法により償却、間接法により記帳)を平成30年3月31日に100,000円で売却し、現金で受け取った。決算日は12月31日とし、減価償却は月割計算する。

 

練習問題の解答

f:id:easy_boki:20200412211502j:plain

 

できましたか?
79話で減価償却は終了です。明日は、「費用・収益の繰延と見越し」に入ります。

今日も最後までありがとうございました!

 

 目次へ戻る

 

Twitterは 143話「商品有高帳と売上総利益(移動平均法)」まで公開しています!