かんたん!イラストで分かる簿記

長崎で簿記講師をしています。イラストで簿記を学んでみましょう!

簿記きほんのき57【仕訳】株式の発行

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いつもブログを見てくださり、ありがとうございます。
このイラストは、隙間時間に、イラストで簿記を学べるように作成しています。

日商簿記3級の範囲をイラストで紹介しています。

 

 

 

今日の学習内容

以前の日商簿記3級の試験は「個人商店」を対象としたものでしたが、改定後は、「小規模の株式会社」を前提としたものになりました。

改定により、追加になった、株式の発行の仕訳を今日は学習します。

 

 

これから日商簿記を受験される方は、現在の試験範囲に対応しているか、テキストを確認してくださいね。

 

株式会社とは

会社が活動するには、資金が必要です。
資金の調達方法としては、自分でお金を出す、銀行から借入をするなどもありますが、

その他、株式を発行して多くの株主から出資してもらい資金調達をすることもあります。

 

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株式を発行することで資金を調達する会社を株式会社といいます。

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株主から出資してもらい、会社は利益を生み出すように 活動していきます。

その出資金があり会社が活動できるので、株主は会社の所有者(オーナー)と言われ、取締役は経営のプロとして事業活動を行っていきます。

そして、利益が出たら、オーナーである株主に出資額に応じた配当金を渡します。

 

  • 株主(出資者)≠取締役(経営者)
    会社の所有者は株主で、経営を実行するのが取締役(経営者)
  • 経営者は利益の使い道を勝手に決めることはできない。
  • 利益の使い道や経営方針は、「株主総会」で決めていく。
  • 経営成績の低下など株主からの信頼を失うと、解任されることもある。

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株主は、利益を元に出資額に応じた配当金をもらえるので、利益が出そうな魅力ある会社に出資をしていきます。


また、出資額した分だけ、会社の決定する権利を多く持つことができます。

例えば、会社の株式が100株発行されており、そのうち Aさん60株、Bさん30株、C10株所有していた場合、Aさんは60票分の決定権を持っていることになります。
この場合だと、Aさん反対、BさんとCさんが賛成をしても、賛成票が60票あるので、Aさんの意見が可決されます。


上のイラストなら、100万円出資したメガネの方が、決定権を多く持っていると言うことですね。
 

今回学習する株式の処理

今日は、株式会社における株の発行について、日商簿記3級の範囲内で学習します。

 

処理は、この2つを学習します。

  1. 会社設立時に株式を発行したの仕訳
  2. 会社設立後、さらに新しい株式を発行時した時の仕訳(増資)

 

本日登場する勘定科目

「資本金」勘定

会社設立時や増資時の株主からの払い込み金を処理する勘定科目。

  • 「資本金」は純資産のグループ
  • 純資産グループなので、貸借対照表の右側に記載されます。
  • 純資産は貸借対照表の右に書かれているので

    資本金(+)→ 右(資本金が増加)
    資本金(ー)→ 左(資本金が減少)

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会社設立時に株式を発行した時の仕訳

会社設立のため、株式100株を1株あたり500円で発行し、全株式の払い込みを受け、払い込み分は当座預金へに入金した。

 

株を発行して、株主さんからもらったお金を当座預金に入れた仕訳ですね。

100株×500円=50,000円 が入金されたお金です。

 

会社設立にあたり、株を発行したときは、原則として全額を資本金として処理します。
   

 

【仕訳の考え方】
 1、当座預金(資産)が増加した。
 2、資本金(純資産)が増加した。

 

1、当座預金(資産)が増加した。
  ⇨当座預金(+)なので借方の左

(借) 当座預金 50,000  

 

2、資本金(純資産)が増加した。
    ⇨資本金(+)なので貸方の右


  (借) 当座預金 50,000 資本金 50,000 

 

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株式を発行し増資した時の仕訳

増資のため、株式50株を1株あたり500円で発行し、全株式の払い込みを受け、払い込み分は当座預金へに入金した。

 

会社設立後、追加で株式を発行し、株主さんからもらったお金を当座預金に入れた仕訳ですね。

50株×500円=25,000円 が入金されたお金です。

増資の仕訳も、設立後の株式発行と同じ、資本金の増加の仕訳を行います。

 

増資により、株を発行したときは、原則として全額を資本金として処理します。
   

 

【仕訳の考え方】
 1、当座預金(資産)が増加した。
 2、資本金(純資産)が増加した。

 

1、当座預金(資産)が増加した。
  ⇨当座預金(+)なので借方の左

(借) 当座預金 25,000  

 

2、資本金(純資産)が増加した。
    ⇨資本金(+)なので貸方の右


  (借) 当座預金 25,000 資本金 25,000 

 

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株式を発行したときの処理

株を発行したときは、原則として全額を資本金として処理します。」この部分のお話です。

会社法という会社に関するの法律により以下の処理方法があります。

 

  • 原則処理
    株式の払込金額を全額「資本金」で処理
  • 容認処理
    株式の払込金額のうち最低1/2を資本金とし、残額は資本準備金

 

3級では、原則処理のみ学習しますので、全額資本金の増加と覚えておきましょう。
容認処理は、2級から登場します。

 

 

明日は、「現金過不足」です。

今日もブログを最後まで見てくださり、ありがとうございました。

 

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